BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年09月
TOP二人のピエロ ≫ 二人のピエロ (30)~ポール視線~

二人のピエロ (30)~ポール視線~

その日の午後、ミハエルは研究室で王子に聞いていた。
 「あの、聞いても良いですか?」
 「個人情報以外なら良いよ」
そう返されると何も言えないので、違う聞き方をした。
 「昼前、ある人を見かけたのですが…。ドクターの腕の良し悪しでクランケの状態は変わるのですか?」
 「どういう意味だ?」
 「不細工な顔なのに、手術跡が綺麗なのは、ドクターの腕なのかな?と、思って…」

王子は、ミハエルを見つめてくる。
 「ああ、ポールの事か。表で見たのか」
 「見た、と言うか・・、見かけたのです。それで気になって」
 「ドクターの腕云々もあるが、素材の良し悪しも多少は影響ある」
 「私の右耳は、どの様なドクターがされたのですか?」
 「それは分からない。エドの病院だから、腕は良いと思うがね」


その後、ボスがボスルームに入ったのを見届けたユタカは、セキュリティルームに入り再度ボスルームの画面をチェックしようとしていた。

くそぉ…、一体どうしたって言うんだ。
最後の手段しか無いって事か?
でも、それは最後の最後まで取っておきたい。
なので、一か八かと思い、電源を切っては数秒後、再び電源を入れた。

カチカチカチカチッ…、ブーーン……。

少し待つと、全ての画面に映像が映る。
ボスルームはと見てみると、ボスはスナックタイムをしてる。
良かったー、接触が悪かっただけか…。

でも、どんな話をしてたのか聞きたかったのだけど、仕方ないか。


もちろん、ボスはユタカが研究室に行ってる間に元に戻しておいたのだ。
電源の切り直しをしないと見れない様に。



それから数日後。
ヘルプが掛かったポールは、クリニックでオペをした。
その日は見学者が多かった。
ヒロをはじめ、王子にラーメン・ボス、他にも居たからだ。
オペが終わると、思わず溜息が漏れていた。
ヒロが声を掛けてくる。
 「お疲れ様。緊張してたみたいだね」
 「だって、こんなにも見学者が居るなんて…」
 「彼等は、皆が同じ大学の医学部出身なんだよ」
 「え?ラーメン・ボスも?」
 「そうだよ」
 「へー…。しかも、オペ室が管制塔の地下とはね」
 「見て回るか?」
 「いや、疲れた・・・」
ふふっと笑って、ヒロは言ってくる。
 「ポールも視線には疲れたみたいだな」


管制塔から中庭を通って表に向かってると、ポールの目は不思議なものを捉えた。
 「ヒロ、あれは何?」
ポールの指差した先を辿ると、ヒロは教えてくれた。
 「あれは温室だよ」
 「温室?」
おいで、と言われ付いて行った。
 「人参、ジャガイモ、コーン。その他にも作ってるよ」
 「オー!畑だ」
もう1つあるよ、と言われ畑の温室から出た。
隣にある温室の中は、熱かった。
だが、誰かが居るのだろう。裸足の足先が見えてる。
ヒロは教えてくれる。
 「ここはね、サウナだよ」
・・・・・サウナ?

すると、先に居た人が声を掛けてくる。
 「ヒロト様…」
 「ん…?あ、寛いでる所を邪魔したね」
 「いえ。あ、あの、そちらの御方は?」
 「ポールだよ」
 「ミスター・ポール。私はミハエルと申します」
すると、ポールは声を掛けた。
 「……もしかして、真面目バカのメガネ?」
 「は、はい。『真面目バカのメガネ』と呼ばれていたミハエルです。
覚えて頂けてたなんて嬉しいです。あの、先日、中華料理店の表で裏を…、邪拳をされてるのを見て、もしや、と思ってました。
ポールと変えられたのですね。ポール、とお呼びしても宜しいでしょうか?」
 「ああ。その方が良い」


おお、神よ。ありがとうございます…。
ミハエルは泣きながら呟いていた。


覚えていてくれて、ニックネームで呼んでくれた。
アンソニー様。
私は嬉しいです。
貴方は気高く誇らしく空を駆け上がる龍の如く、私の心をも虜にしてくれた。
今度はポールとして、普通に話せることが出来る。
こんな日が来るとは夢にも思わなかった。
ここに来て良かった。
後は、フィルを超えてはジョンをモノにする。
ポールがアンソニー様だという事は黙っておこう。


ポールも、また思っていた。
ミハエルと会えて嬉しいな、と。
私が直に裏を教えてたのは本の虫とキラー・マックスの二人だけだった。ミハエルは、そんな様子を見ては真似をしていただけだ。
だけど、私が日本からドイツに戻ると、本の虫は卒業してはミハエルも居なかった。
私に好意を持っていてくれてたのは知ってた。
だが、私の心にはトモが居た。

そのトモが、ヒロと恋人だなんて…、まだ信じられない。














☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
ポール視線のお話です。

そして…、続々と人が集まって来てます。




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