BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年07月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年09月
TOP二人のピエロ ≫ 二人のピエロ (13)~出会い~ レン視線

二人のピエロ (13)~出会い~ レン視線

※レン視線※


しつこくスーザンが言ってくる。
違うフラットにしてもらえ、と。
スーザンの思ってる事は分かってる。
ポールの顔がグロデスクだからだ。
気が気でないのか、この土日はホテルに泊まると言ってはホテルに泊まったみたいだ。
それは、僕にとっては良い事だった。
それに、病院への行き方が分からないのでポールの部屋に行ったのにドアを開けてくれない。
しつこくノックしたのに。

それでもと思い、エントランスで待ってると出てきた。
一定の距離を保って後ろを歩く。
ポールは早足みたいで、少し目を離すと見えなくなった。
何処に行ったのか分からないが、目的地である病院は目の前だ。
ここからなら迷わずに行けるだろう。
そう思って、入り口に向かって歩いて行く。
行けども行けども、入り口は見つからない。
もしかして道を間違えた?
病院は目の前にあるのに、中々入り口が見えない。
もう…、こうなったら、この森の中を突っ切ってやろうか。
そういう気持ちになってきた。

その時、声が聞こえてきた。
 「ハイ、ミスター。そこで何をしてるの?」
誰、僕の事?
そう思って黙っていたら、再び声を掛けられた。
 「どこに行こうとしてるの?」

声のした方を見ると、男性か女性かは分からないが、声からして男性だろう。
あまり肉が付いてない、スレンダーな男性が居た。
それに、面長で中国人ではない。自分と同じアメリカ人かな、と思える程の流暢な英語。
そばにスーザンが居ると、迷わずに口説くだろう。
そんな見た目の良い男が、僕を見ている。

 「あ、あの…、今日から、ここで…」
納得した様な表情で、その人は僕に言ってきた。
 「ああ、ここは広いからね。曲がり角あったでしょ?後ろを向いて…。
そのまま進むと曲がり角が2つ見えるから、一つ目を左に曲がって歩いてね。
そしたら『P』の字が見えるから、そこの入り口から入ってね。」
丁寧に教えてくれる。

言われたとおりに一つ目の角を左に曲がると、『P』の字が見えた。
時計を見ると、8時15分だ。
走れば間に合う。
そう思い、走って『P』の入り口に入るとスタッフ専用のドアが見えたので、そこから中に入った。
中に入ったはいいが、チャーリーの居場所が分からない。
近くに居た人に聞いて、なんとか間に合った。

あ、そういえば、さっきの人にお礼を言うのを忘れていた。
また会えるかな。
会えたら、お礼を言おう。
優しい声だったな。


そのレンの様子を木の上から見ていたポールは、レンを含めて自分の事をも見てるだろうジョンに小さく呟く。大体の位置は分かる。
斜め後方に顔を向けて、口を動かした。
 「ダンケ」と。

ジョンは木の上からレンが無事にドアに入ったのを見届けていた。
その近くにある木の上で一休みしている人間も視界に入れていた。
レンがドアに入ったのを見計らって、その人物は動いた。
こっちを見ている。
口が動いてるみたいだ。
 「ダンケ」と、言ってるようだ。

やはり、ポールはジュニアなのか。
面影はないが、態度とか仕草等の細かいところは似ている。
でも、もう自分には関係ない。
すでに卒業してるからだ。



ここで仕事をするようになり、早1ヶ月。
スーザンは、やっと帰国した。
 「3ヶ月後には来るからね。それまでにフラットを引っ越してなさい。」と、言い残して。

ある日、彼に会った。
僕に丁寧に道順を教えてくれた人だ。
喫茶室で、その人はランチを食べていた。
その人の側まで行き、声を掛けた。
 「あ、あのっ…」
こっちを振り向いた彼は、きょとんとしている。
 「あのっ、一緒に座っても良いですか?」
 「え…」
ビックリした表情で見てくれる。
失敗した、と思っては言い直した。
 「あの、1ヶ月程前に、この病院までの道のりを教えて頂き、ありがとうございました。お礼を言ってなくて、次に会ったら言おうと思ってたんです。」
そう言われて分かったのか、彼は返事をしてくれた。
 「ああ…、あの時の。時間もぎりぎりだったからね、別に良いですよ。でも、こうやって言ってくれてありがとうございます。」
優しく微笑んでくれたので、もう一度同じことを言った。
 「あの…、座っても良いですか?」
 「良いですよ。私は、これを飲み終えると戻るので」
え…、そんなの数秒しか一緒に居られないじゃないかっ…。
向かいに座ると、その人は飲み終えたのか、席を立った。
 「それじゃ、ごゆっくり」
そう言われて、はっと気が付いた。
 「あ、あの…」
 「何か?」
 「レン、レン・カーターと言います。この間は本当にありがとうございました」
 「良いよ。別に大した事をしたわけでは無いから」
 「あの…」
 「バイ、レン」
 「バ、バイ…」
って、違うだろう。あー…、行っちゃった。名前を聞きたかったのに。


そんなにも離れてないのか、彼の声が聞こえた。
 「あ、グッドタイミング!王子、お待ちしておりました。」
 「誰が王子だ?あぁ…」
 「ったいなー…。叩かないで下さい」
その声が遠ざかって行く。
レンは、その2人の様子を見ていた。
王子と呼ばれた人と、彼の事を。

そして、レンを含めた3人を見ていた人物も居た。
ポールだ。
王子って言ってた。
記憶を遡っては、ある事に気が付いた。
まさか、あのイタリア王子か?
私に、日本語に少林寺にコンピュータの使い方等を教えてくれた、あの王子か?
ジョンと王子とのやり取りを聞いていたポールは、気が付いた。
ジョンは、5階か6階で働いてる?
私には手が出せない位置だ。
シュワルツは、あの件で国外追放されたし、他の5人は1階での仕事だ。
行き帰りを待つしかないか。
もしくは、あの王子と話をするか。
あの王子なら、誰にも言わないだろう。彼は見た目とは違い、真面目で口が堅い人間だ。


ふむ…。
少し考えると思い当たった。
コンピュータの仕事か。
とりあえず、今日は14時上がりだ。
ポールは既に病院内に入った王子の背に念を送った。
 「14時を過ぎてから帰るんだ」と、何度も何度も…。








☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、レンはジョンとも出会う。

ここから歯車が噛み合うようになります。


ポチッとしてくれると嬉しいです♪
 ⇓⇓⇓

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

小説(BL) ブログランキングへ

関連記事
スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL

FC2カウンター
カテゴリ
ランキング参加してます
↓↓ポチッと押してね にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
Twitter
POWERED
Template by
FC2ブログのテンプレート工房
Design&Customize by
Pretty Heart-blog
Powered by FCブログ