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君は腐れ縁であり運命の人(39)

翌日、友を起こす為にゲストルームに向かった。

こんこん、とノックをして入る。
 「友、朝だよ…」

ベッドはもぬけの殻だった。
窓が開いてるのを見ては閉める為に近付く。
すると、窓の向こうでは友が何かをしているのが目についた。
オアシスで花を植えてるのだ。
そういえば、高校の時だって作業をするのに早起きしては学校に行って畑作業をしていたな。
オアシスの庭側には噴水がある。
そこに、畑でも作ろうかな。
今では既に自分の持ち物になっている、この屋敷と敷地。
私が20歳になった昨年の秋には、私の物になった。
今では福岡に伺いを立てなくても、自分で決められる。

友を起こす、という自分の行動は無駄になったが、仕方ない。
あっちの方が早起きなんだから。
屋敷からオアシスへと出た。
 「友、早起きなんだな」
 「日が昇ると同時に目は覚めるよ」
 「お前は太陽と同化してるのかよ…」
 「太陽、と呼んでくれ」
はいはい、太陽ね…。


すると、執事から声を掛けられた。
 「豊様、おはようございます。」
 「おはよう。ねえ、ここに温室でも作ろうか?」
 「温室でございますか?」
 「いつも買ってるだろう。人参、ジャガイモ。それだけでも作れば少しは浮くかも…」
 「菜園ですか。それは、良いですね。私の老化防止にもなって一石二鳥ですね」
 「まだまだ若いよ」
 「ありがとうございます。人参とジャガイモ、それだけで宜しいでしょうか?」
すると、友は言ってくる。
 「せっかく高校の時は農作業部に入ってたのだから、茄子に南瓜にトマトも追加したらどうだ?
あと、苺とか。で、私も手伝う」
文句言いたかったのだが、最後の言葉を聞くと嬉しくなっては頷いていた。
 「手伝ってくれるのは嬉しいけど、収穫しながら自分の口に入れるのは止めてね」
 「そんな事はしないぞ」
 「高校の時はしてたじゃん」
 「地味な行動を取る時は楽しみながらするもんだ」
 「なに、その俺様ぶりは…」


でも、友は私の方を見向きもしない。
もしかして、昨夜のあれで恥ずかしいのだろうか。
そう思うと、私も急に恥ずかしくなってきた。
 「そろそろ中に入ろう。朝食は出来上がってるかもな」
 「ああ、そうだな」

だが、近付いてくる気配はない。
部屋に入り外に目をやると、友は一人で花に話しかけている。
友、君が好きだよ。
君の為なら、私は悪魔にでもなれる。
相手がどんな奴だろうが、私は闘って君を守る。
アレがあろうがなかろうかは関係ない。


そして3年生に進級しては、友は夏休みにはドイツに向かった。
なにやら声楽の方でドイツのフェスに歌いに行ったみたいだ。
その土産を帰国して直ぐに貰った。
他の皆には無しだからと言われ、優越感を持った。
なにやら本部で記念撮影をしたらしく、嬉しそうに土産話をしてくれた。

そして、4年生になる前に、友は足を怪我したのか。びっこを引いている。
私には言ってくれなかったが、スズメとサトルは聞いていたらしく、その二人が話してくれた。
バイトをしていた友は、そのバイトを辞めてはストーカー事件も起こった。
私には言ってくれなかったが、マサが護衛していた。
何で言ってくれないのだろう。
だけど、皆してサプライズしてやろうという一致団結して、友を守った。
へへんっ、だ。
マサの仕事を分捕ってやったぜ。

5年生になると、友は親友を事故で亡くした。
こればかりは、どうしようも出来ない。
だけど、何かが吹っ切れたみたいだ。

そして、卒業まで一年を切った6年生の春。
最近は、友の様子が変だ。
どうしたのか聞いても、何も言ってくれない。
大学ではボス呼びしてるので、プライベートでは名前呼びをしている。
温室での畑作業も上の空でしてる時もある。
 「友、何かあったの?」
無視されるが、これは聞いてない。
だから、今度はキスを仕掛けた。私の方を見て欲しい、と思って。

すると、キスだけでなく抱きしめることすらもさせてくれない。
なので、もう一度聞いてみる。
 「友、何かあったの?最近、変だよ」
 「え?」
 「え?、じゃないよっ」
ったくもう…、上の空でも作業はきちんとやっているのを見ると苦笑してしまう。
友に、卒業後はどうするのか聞きたかったのに。
今でなくてもいいや。


そして、卒業を終えては3月中旬に差し掛かろうとしていた。
友が死んだ、と伝えられた。
雪の日。
東京で、買い物に行っては巻き込まれたらしい。

号外に、載っていた。

嘘だろ…。
友の家に行くと、弟が家庭を持っては住んでる。
友はどこに住んでるのかと聞くと、2年ほど前に父親のマンションに移ったと教えてくれた。
友の死んだ事を弟に聞くと、目を伏せては言いにくそうだ。
それを見て、何かがぶち切れそうだ。
マンションに移り住んでた事を教えてくれなかったという事では無い。
友は、私の屋敷に定期的に来ては、一緒に畑作業をしてたのだから。
バイトを辞めてからは、週に4日ほど来るようになってたので、私は嬉しかったのだ。


嘘だ。
嘘だろ。
友、死んでは無いよな。
死んだなんて、私は信じない。
福岡に戻り、自分でアパートを借りては住んでいた。
友の家に行っては、小母さんにも聞いていた。
言いづらそうにしていたのを見ると、涙が出てきそうで…。
それでも、信じられない。

福岡で5年間、地盤を固めては外の国に向かった。
父とは違う方向性で、外との接触を図ったのだ。
その5年間、私はドイツに行っては側付20人に色々と師事していた。
バーンズの死を間近で見る事になり、友の事を思い出していた。
いや、あいつは何処かで生きてる。
そんな自分の気持ちを糧に強く生きてきた。
その後、フランス、イギリス、ロシア等の欧州を中心に顔パスで、フリーで行き来出来るようになっては、自分なりの人脈を持つようになった。



そんな時、日本でカズキに再会した。
その時は既に半分死んだ様な表情をしていた。








☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、ここから本編シリーズとリンクしてます。
ざっくりとですが(;・∀・)
豊の片思い編である『君は腐れ縁であり運命の人』も、残り2話。
もうしばらくお付き合いください<(_ _)>


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