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出会いは行きずり (7)最終話

就職先の上司、もとい所長と一緒に行ったせいか、スムーズに契約が出来た。
不動産屋が教えてくれたのは、スポーツジムの所長は、そのマンションの持ち主だという事だ。
なるほど、それでなのか。
金持ち坊ちゃんというわけだ。
ある意味、俺もそうだから同種の人間だ。


マンションの部屋を見させて貰って決めたのは1LDKではなく、1階にある3DKの方にした。
なにしろ2階建てになっては、自分の夢が叶いそうな気がしたからだ。
不動産屋に、夢を叶えたいという事も伝えると、そうなると保健所への登録も必要になると言われたが、それは直ぐでは無い。
少なくとも3年以上先の事だ。
それも伝えると、書き留めておきます、と言っては契約書にその旨を書き込んでいた。


印鑑も押し、契約も終わっては、俺達はマンションに戻って来た。

2階部分にある二部屋はクローゼットルームと書斎にしよう。
クローゼットルームにはウッドカーペットを敷いてウォーキングクローゼットにしようかな。
書斎にもカーペットを敷いて自分の机や本棚を持って来ては、趣味のアレも持ってこよう。
1階部分に当たる一部屋は寝室にして、自分のベッドを持ってこようかな。
それに、キッチン用品や家電は自分の部屋から持ってこよう。
なにしろ、冷蔵庫も洗濯機もまだ使えては手入れもしてるからだ。
お母ちゃんが死んで、それらはゴミ捨てにされようとしていたが冗談じゃない。
あの女は、お母ちゃんに似ている俺が嫌いで、俺と会うつもりはないみたいだから。
だから、俺は一人で食事を作っては食べている。
家政婦は俺の為に作ろうという気も無いみたいだし、俺も作らないと忘れそうだったからな。
俺にとっても、あの女にとってもお互い顔を合わせる事が無いので、その点は気が楽だった。


だけど、あの家に居たのは、自分に自信が無かったからだ。
大学に行っては夜遅くまで泳ぎ、色々な大会に出場していた。
そのせいか、付いたあだ名は『水泳バカ』。
大学の近くのスイミング教室で週3日通っては、月に5万円近くバイト料を貰っては貯めてきた。
それに、まだ小遣いを貰えてたからな。
義弟経由で、あの女は俺に月10万円の小遣いをくれてた。
正確には、親父の金だ。

だが、あの義弟は一枚ほどちょろまかしてくれるのだ。
その義弟に、俺は封筒の中から用紙を取り出して見せると、そいつは真っ青になって隠し持っていた一枚を返してくれる。
その用紙にサインをして受領印を押すと、義弟に渡してやる。
あの女に渡すように、と言って。
後でおいで、と言ってはドアを閉めてやる。
その当時、義弟はまだ3歳だった。
お金の価値なんて、まだ分からない年齢だ。
遊び相手も限定され、鬱憤が溜まっていたのだろう。
その反動で、ちょろまかしをやったのだろうなと推測できる。

義弟が俺の部屋に来たのだろう、ブザーが鳴る。
 「どうぞ」と言って部屋の中に入れると、義弟は怒られると思ったのか、身体を固くしてる。
その義弟をソファに座らせ、パンケーキを焼いていた俺は飲み物と一緒にそれをそいつの目の前に置いた。
 「食べてみて」

そう言うと、そいつは益々、身体を強張らせてる。
毒入りなのかどうか……、と逡巡しているみたいだ。
 「大丈夫だよ、毒なんて入って無いよ」

恐る恐るパンケーキに手を出しては、一口、二口、三口と口にする。
するとパッと目を輝かせ「これ、美味しいっ」と言っては3枚を完食してくれた。
その義弟に、俺は言っていた。
 「俺に持って来てる小遣いあるだろう?俺はね、自分の店を持つために貯めてるんだよ。
俺を産んでくれた母親の夢でもあるんだ。
宗一君、君はまだ3歳で小さいから分からないと思うけど、いつかは君も社会人になる。
自分の夢を持っては、それに向かって頑張ってね」
 「うん。お兄ちゃん、さっきはごめんなさい。お店が出来たら呼んでね。僕、一番最初のお客さんになるからね」
 「いつになるか分からないけどね」
 「何時頃になりそう?」
 「うーん……。それには、まだまだお金が要るからなあ。今はお金を貯めて、食べに来てくれるお客さんが増える様に美味しい物を作っていく勉強をしてるんだ」
 「頑張ってね。僕、応援する」
 「ありがとう」



目が覚めた。
ああ、俺寝てたのか。
どうやら昔の夢を見ていたようだ。
お母ちゃんが死んで、あの女が後妻になり男児を産んで、その子は7歳になった。
お父ちゃんはお母ちゃんが死んでからは帰りは遅くなった。
昔話なんて聞きたくない。
東大での話なんて、あの男の自慢と名誉と誇りだけだろう。
誰がそんな話を聞くもんか、聞きたくない。

嘉男さん。いや、所長。
貴方との身体関係は今日限りだ。
俺は慰め者になるつもりは無い。男とヤリたければ、他の男とヤッテくれ。


とりあえず住む所と仕事は確保した。
あのスポーツジムは、Wワークしてる人が殆どらしい。
人事担当の人も、「正社員だけど、新聞屋で朝刊配達してるよ」と、言ってたからな。

ふふっ。
楽しみだな。
スポーツジムは14時半から22時半までの8時間労働だが、夕食タイムもあり、正社員だから保険等もあり給料は18万だが、手取りは15万あるかどうか。
まあ、家賃の6万円は会社が出してくれるからな。
仕事に慣れるまでは1本でやって、慣れたら夢を叶えよう。
そうだなぁ…。

10時から13時までの3時間だけでも良いし、ここはビジネス街だ。
早めて8時から13時までにしても良いな。

スポーツジムは水曜が定休日だし、他にもう一日休みが取れるから何曜日にしようかな。


これからの事を思うと、顔が緩んでくる。


うん、決めた。
1階のDKを店舗用にしよう。
店の名前はどうしようかな。
お母ちゃんが考えてた名前にしようかな。
いや、あれは女性が店主の場合の名前だから、自分で考えよう。
いいよね、お母ちゃん?

 『パンケーキの店 ぽかぽか 』

メニューは、
プレーン味、チョコ味、ヨーグルト味の3種類。

ランチ用に、
ホットサンド
ポテトサラダ
ミネストローネor シチュー

ドリンクは、
紅茶、珈琲



お母ちゃん、俺達の夢を叶えさせるからね。
天国で見守っててね。












 - 完 -






☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
7話という短さでしたが、読んで頂きありがとうございました。
そうです、『水泳』なんです。
書きたかったのは、この水泳という事でして。
水泳というのは、海パン一丁です。
どこに腐の要素があるのか、想像してみてね~
それでは、本編は4月掲載予定です。
しばしの間、お待ちください<(_ _)>


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