BL風味の小説

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出会いは行きずり (6)

目が覚め身体を動かすと腰に痛みが走る。
 「っぅ……」

思わず腰に手を当ててしまう。
この違和感は、この間も感じたものだ。
チラッ、と横に目をやると、このマンションの住人であり、自分の上司になる人が寝ている。
俺は男だから妊娠する事は無い。これからは控えた方が良いかもな。
なにしろ、相手は自分の職場の上司だ。
ばれたらどうなるのだろう、クビになるだろうな。

だから…。
今日限りだ。
うん、大丈夫だ。傷は浅いうちに、と言うからな。
すると、涙が頬を伝う感触がある。
あれ、俺どうしたんだ?
これっきりではないぞ。これから仕事を辞めるまで続くんだよ。
なんで涙が出るのだろう……。
もしかして、この人に好意を持ってるのか…?
自分の上司、スポーツジムの所長だぞ。

自分の気持ちが分からない。
でも、これだけは言える。
この人に身体を触られたり舐められたりされるのは嫌では無い。
この人の事を好きかどうかは分からない。
でも、誠実そうだし…………。

まあ、いいや。
とりあえず腹が減った。

欠伸を殺すことも無く、大きな欠伸をすると、腹が鳴る。

ぎゅるるるるる……。

うわ、恥ずかしい位に大きな腹の虫だ。
聞こえてないだろうか。
ふと横を見ると、起きてるのだろう、肩が震えてるのが分かる。
くそぉ、本当に恥ずかしいな。
なので言ってやる。
 「欠伸も、腹が空くのも生理現象ですっ。笑わないでっ」
 「悪い、悪い……」
目に涙が溜まってるのを拭ってるのか、そんな仕草がどことなく色っぽく見える。
不覚にも見惚れてしまった。
上司になる男は、まだ笑ってる。
別に、その笑いを止めさせようとしたわけでは無い。
無意識に、勝手に身体が動いていた。

頬に軽く唇を触れる。

ビクッ…。

相手の身体が一瞬だが揺れて固まるのが分かる。
 「あ、やっと笑いが止まった。キスすると止まるって言うのは、本当なんですね」

横に寝っ転がっている人は珍しく顔を赤くしては手で口元を覆っている。
 「そういう事は口にしてからに言うんだな」
 「え、口?」

今度は政行が固まる番だ。
その政行に嘉男は言ってくる。
 「そう、口だよ。唇に……」

嘉男の顔は、固まって動けないでいる政行の顔との距離を縮めてくる。

 (もしかして唇にされるのか…)
という政行の焦りを感じ取ったのか、
 (まだ早い……)
と思い直した嘉男は、政行のおでこに唇を触れる。

 「あ……」
政行の口から漏れ聞こえてくる、その声。
これはやばい。
今の内に、まだ理性が保っている間に行動しないと。
そう思った嘉男はベッドから降りながら声を掛けてくる。
 「朝飯は簡単なのでも良いか?」
 「は、はい、良いです」

え、作ってくれるのか、この人が?

ぎゅるるるるる……。

またもや聞こえる、盛大な音が。
その音が聞こえたのだろう、今度はさっきよりも盛大な笑い声が聞こえてくる。

わはははっ……。

 「はいはい、そう急かすな。すぐ作ってやる」
 「大至急よろしくお願いしますっ」
待ってろ、と言って嘉男は寝室から出る。

政行は一人になっては、恥ずかしさが込み上げてきた。
うー…、恥ずかしい。穴があったら入りたい……。



くっくっくっ…、とまだ笑いながら朝食を作ろうとしている嘉男は、一人で思い出し笑いをしてる。
危なかった。
もう少しで、あの唇に触れようとしていた。
自分の頬に触れてきた微かな感触は、とても優しかった。
あれは政行の意図しない行動だったのだろう。
俺の笑いを止める為ではなく、思わず触れてしまったというものだろうな。
可愛い。


でも、トーストと珈琲だけでは無理だろうな。
何か無いかと思い冷蔵庫を開けると、昨夜、政行が買って来た惣菜が3種類ほどある。
それらを皿に盛ってはレンジで温める。
その時に思い出した。
ああ、そういえば腰が動かないか。
抱き上げて連れて来るか。

飯が出来たぞ、と言いながら寝室のドアを開けると、政行はなんとか立ち上がろうとしていた。
 「ケツが痛いんだろ」
ほれ、と言っては政行を担ぎ上げる。
 「うわっ、アウチッ……」

 「政行」
 「なに?」
 「焦らないから、ゆっくりと落としていくつもりでいる。だから、そんなに反応してくれるな」
 「反応って…」
 「そんなに反応されると、俺も反応してしまうから。ほら、座らすぞ」
そう言って、嘉男はリビングのソファに政行を座らせてくれる。
嘉男は続けて言ってくれる。
 「食わせてやろうか」
 「いえ、結構です」
 「珈琲と紅茶、どっちが良い?」
 「紅茶で」
 「待ってろ」
 「牛乳たっぷりで砂糖は要りません」
 「はいはい」

茶葉から淹れる紅茶だ。
それを大きめのマグカップに注いでくれてる。
牛乳は自分で注ぐ。

紅茶を二口ほど飲むと、元気が出る。
ふー……。
 「一息ついた。この紅茶、美味しい」
 「そう言って貰えると嬉しいな」


暫らくの間まったりとしては、昼前になると二人して不動産屋に向かった。







☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
就職先の決まった政行は、嘉男に身体を貪られる。
予めカミングされていた政行だが、触られるのは嫌では無いと再確認する。

そして、まったり~と過ごしては住むべき所を見つける為、不動産屋へ。


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Comment

No title
編集
カラダと胃袋を落とされちゃったらダメですね~~~(ププッ

自覚したらその時点でアワアワ・オタオタしそうな政行クン。
それも楽しいかな?
2016年01月05日(Tue) 10:25
Re: No title
編集
ますみさんへ


身体は落とされてしまったが・・・、胃袋も落とされるのか、政行??


この嘉男君は料理はしても男の料理という代物でしょうか。
なにしろ簡単な物しか作らないという(暴露するw

政行は、自覚する事はあるのかなぁ?
なにしろ水泳にしか興味がない人間ですから・・……(-。-) ボソッ




2016年01月05日(Tue) 20:20












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