BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
2017年09月 ≪  12345678910111213141516171819202122232425262728293031 ≫ 2017年11月
TOP君は腐れ縁であり運命の人(ユタカ編) ≫ 君は腐れ縁であり運命の人(22) ~そして、只今2年生~

君は腐れ縁であり運命の人(22) ~そして、只今2年生~

それから数日後、豊は友明の帰りを尾けては家まで見送っていた。
当然、友明は知っていたが、何をするでもない豊に疑問を持っていた。
豊は友明を家まで送るという、自分の勝手に決めた日課を繰り返していた。
だが、豊は気が付いていなかった。
家に戻った友明が、また大学に戻ってきてる事を。

それが分かったのは、2年生に進級してからの事だった。
その月の学食が非常に美味しく評判が良いのを聞きつけた豊は、いつもはカフェで食べていたのだが学食で食べる事にしたのだ。
なるほど、これは最高に美味しい。
評判が良いのは頷ける。
栄養学的にも体にとってもバランスが良く考えられてるメニューだ。
たまたま豊の近くに居た4人組の話が聞こえてきた。
 
 「うん、やっぱり美味いわ」
 「ほんと、あいつは上手だよな」
 「仕込みは、あいつがやってるんだってな」
 「へぇ、あいつって昼間も学生だってな?」
 「夜間だけでなく昼間もかよ」
 「噂によると、昼間は医学部だってさ」
 「へー。で、夜間は俺達と同じ栄養学かよ」
 「勉強好きな奴なのか」

医学部?
豊の耳はダンボになっていた。
医学部の奴が、夜間では栄養学を勉強してるのか?
朝から夜遅くまで大変な事だな。

 「あ、見ろよ。あいつだ」
 「どれどれ」
 「あ、ほんとだ」
 「とーもー君。こっちおいでー」
 「ば、ばかっ…。何呼んでるんだよっ」
その声に反応して、とも君は近付いてきた。
 「お疲れさんっ。今月は、君のメニューだってね」
 「うん。あ、食べてくれてるんだ?」
 「うん、美味いよ。」
 「ありがとう」
 「仕込みもしてるって本当?」
 「最初の1週間だけだよ」
 「今は違うんだ?」
 「違うよ」
あ、そうだ。食べてみる?
そう言って、友明は何かをごそごそと出しては広げた。
 「これね、さっき出来たばかりなんだ」
 「おおっ!」
 「んまそー」
 「食って良いの?」
 「これは何だろう?」

4人が一口ずつ口に含む。
 「さいこー!」
 「酒が欲しくなる~」
 「これって、とろの味噌漬けっ?」
そう聞かれ、友は応じている。
 「そうだよ。7月のカフェのメニューにって言われてたんだけど、却下された」
 「まあ、カフェでは洋風が良いだろうな」
 「医学部ってお高くとまったお澄まし野郎の集まりかと思ってたんだが・・・」
 「俺もそう思ってた。だけど、それが友だなんて思いもしなかった」
 「知ってるのか?」
 「こいつは、元々こっちの人間だ。幼稚園の時なんて、虐められっ子だったんだぜ」
 「そんなには見えない……」


豊は、目の前の事が信じられなかった。
友が、夜間で栄養学をしてる?
たしかに、昼間は医学部だけど、夜は…。
夜は大人しく家に居たのでは無かったのか?
何の為に見送っていると思ってるんだ?
あれから、また大学に行ってたと言うのか?
悟が夜間ではコンピュータ情報をやっているのは分かってる。
友もだなんて・・・。

友を含めた5人は、栄養学には必須の成分分析表を片手に、トロと味噌の微妙なやり取りが繰り広げられている。


豊は腕時計を見ては午後の講義に行く時間だと分かると、立ち上がった。
その際に、友に声を掛けた。
 「友、そんな所に居たのか。そろそろ行くぞ」
 「午後は4限だけだから」
 「3限目は?」
 「無い」
良いなあ…、私も休もうかな。いや、この3限目は休めないや…。
ぶつぶつと独り言を言いながら、豊は友を見ながら言ってる。
友、私を見てくれ。
私を見ながら言ってくれ。
そういう思いで言っていた。
 「それじゃ、4限目に」
 「ああ」


それでも返事はしてくれた。
それだけでも良しとしないといけないのに、豊は寂しかった。
医学部と栄養学とでは、そんなにも表情が違うのか。
とても楽しそうに栄養学の話をしている。
成分が、どうのこうのとか。
カロチンとかビタミンとか、色々と話に花が咲いてる。
友。
4限目が終わると、話がしたい。
良の事を話したい。

学食の出入り口を出る時に、豊は友の方を振り返った。
見ると、友は4人と一緒に楽しそうにまだ笑っては話し合ってる。

友、その笑顔は私だけに向けて欲しい。
友、好きだよ。
高校の時とは違う意味の「好き」という言葉。
あの頃は気軽に言えていたが、今は違う。
その一言を言いたいのだけど、言えずにいる。
言えば、そこまでな感じがするからだ。


心の中で念じていた。
(友、私の方を見てくれ。)
だが、友は一度も振り返る事はしなかった。
その様子を見ては溜息を吐いて豊は教科棟に向かった。








☆∮。・。・★
早くも、大学生活は2年目。
2年生になりました。
今話は、カフェでのやり取り。
目の前の出来事が信じられない豊は、友に思いの眼差しを向けるが・・・
友は、一度も振り向いてくれない。
振り向きもせずに、友は豊の言葉に応じてる。

ねえ、友。
それって失礼にあたるよ。



ランキングに参加してます。↓↓ポチッと押してね

にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村

小説(BL) ブログランキングへ

関連記事
スポンサーサイト

Comment













非公開コメントにする
Trackback

Trackback URL

FC2カウンター
カテゴリ
ランキング参加してます
↓↓ポチッと押してね にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説へ
にほんブログ村
Twitter
POWERED
Template by
FC2ブログのテンプレート工房
Design&Customize by
Pretty Heart-blog
Powered by FCブログ