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君は腐れ縁であり運命の人(4)

豊が言ってくる。
 「ところで、友。虐められてるのは、落書きだけでは無いだろ」
 「え・・・」
 「体操服を破られたり、教科書を破られたりしてるのに、どうして昨日言わなかったんだ?」
 「何の事?」
 「せっかく、職員室で話をしてたくせに」
 「聞いてたのか…」
 「職員室に居たからな」
 「でも、現行犯では無いからな」
 「なら、現行犯で捕まえれば良いのか」
 「豊?」
ふふっ…と、不気味な笑いをしてる豊は、何かしようと考えてるみたいだ。

 「豊って、本当に色々と考えてくれるからなあ。虐めてくる奴の事は、目星が付いてるんだよ」
 「そうそう。だけど、そいつは悪知恵が働いてね。尻尾を捕まえさせないんだよね」
 「豊もそうだけど、俺も虐められてたんだ。イギリスのハーフ野郎ってね」
 「え、良ちゃんも?」
 「うん、そうだよ。あ、やっと名前呼びされた」

そう、良ちゃんは中国人とイギリス人の間に生まれたせいか、髪の色が金髪で、所々に栗色掛かってる。母方の祖母の血を継いだらしく、家族4人の中で一人だけ浮いてるらしい。
それでも、中学を卒業するまでは家に居させてやると、母親の再婚相手の義父から言われたらしく、中学までは居られるんだ。
と、良ちゃんは話してくれた。
その虐めてくる奴は、良ちゃんの義父の親戚筋に当たる人間なんだ、と教えてくれた。


もしかしたら、俺達3人が虐めにあうのは、東京者だからか。
余所者はお呼びでは無い。
そういう考えでの虐めか。

なら、芝居をするのには頭を使わないといけないな。
2,3日ほど考えて、俺は豊に話した。
却下されてしまった・・・。

豊は、自分の事を話さない。
だけど、豊の所作を見てると、何かを会得してるような感じだ。
合気道、空手、少林寺、他にも有りそうだ。
ああ、そういえばお母ちゃんに対しての、あの動作もスマートだったな。
合気道や少林寺なら、俺もしてるから相手になってくれるかな。
そう思い、豊に仕掛ける。
だが、瞬間避けられた。
 「ふっ。豊って、何かやってるだろ?」
 「友もな」
 「うん。合気道と少林寺を小さい頃からやってるよ」
 「へー。で、なんで?」
 「やってそうだな、と思ってね。相手して」
 「止めた方が良い。死ぬよ」
 「脅しかよ。悪いが、死ぬのはそっちだ」
 「はいはい。でも、今はそんな気分では無いんだ」


東京に居た頃は、虐めが無くなってからは合気道と少林寺を習いに行ってた。
福岡に引っ越して来てからも、道場が近場にあるというのもあり習いに行ってる。
小学校での部活は必修では無かったから、容易に時間は取れる。
段級試合でも、この3月には3級を合格した。
来年は無理でも、再来年は2級と1級の二級を取る。
そのつもりで稽古をしている。
強い奴とやり合いたい。

あの頃の自分とは違う。
あの頃は、芝居が必須だった。
だけど、今では出来るかもしれない。
そう思うと、明日は早めに学校に行こう。
班長に話を付けては、明日は一緒に行けれない事を言う。
別に捕まえて吐かせ様とは思っても無い。
ただ、どんな風にするのかを知りたかっただけだ。


いつもとは違う時間、一人で学校に行く。
30分程早めだが、まだ誰も来てない。
待つ事10分程で、一人目が来た。
同じクラスなのかどうかは分からないが、その女子は迷わずに俺の机の横に立っては、何かを置いてるみたいだ。
男子かと思ってたのだけど、女子とはね。
だが、その女子は教室を出ては4組の教室に入って行った。だけど、中々出てこない。という事は、あの女子は4組か。
それから5分後には男子が入ってきた。
そいつも、俺の机とロッカーに何かをしている。
声が聞こえる。
 「ふっ…。何だよ、これ。こいつを虐める奴が、俺以外に居るとはね…」

ガラッ、とドアが開き、声がする。
 「はよー。今日も早いね。敦君、一番乗りかい?」
 「ああ。一番乗りは気持ち良いぞ」
 「眠くならない?」
 「ふっ…。恵吾は、いつも眠たそうな顔だよな」
 「敦、今日もやったの?」
 「ああ。だけど、先客が居たからパスしたけどな」
 「先客?」
 「見てみろよ」
恵吾と呼ばれた奴は、俺の机に来ると嫌そうな顔をしている。
 「誰だよ、こんな事をする奴は・・・」
 「俺だって、分からんよ」

何をしてくれたのかな、あの女子は。
教室には、段々と人数が増えてきた。しかも優ちゃんの顔も見える。
俺も、そろそろ机に近付くか。
天井にへばり付いていた俺は、静かに床に降りた。


これは・・・!
あの女子は、何て事をしてくれたんだ。
顔や服装は覚えてる。
4組に行って、あの女子を連れてこよう。
廊下に出ると、登校班が着いたのか3人の声が聞こえる。
 「友が既に来ているっ」


4組に行くと、香織は机の横で固まってる。
ああ、あの女子は香織にも同じ事をしたのか。
敦君、お前は後だ。

無言で4組に入って行った。
まだ固まってる香織の頬を叩いては喝を入れさせてやる。

パンッ!

 「いっ…。だ、誰っ・・・」
香織は自分を叩いたのが俺だと分かり、泣きついてきた。
 「ともぉ・・・」








☆∮。・。・★。・。☆・∮。・★・。
そして、虐めの相手を見定めようと友明は動く。
まさか、女子だなんて・・・!




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