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新作!! 陸上&医者。すべての物語は、ここから始まる! (1) 

 俺の住んでた実家のある市では、俺より早く走れる奴は居ない。
 まあ、陸上限定だけど。
 この市では、俺より早く走れる奴は10人も居ない。
 なにしろ俺が5位だからだ。
 そんな俺を「自惚れの強い奴」と言ってくるのは母親だ。

 それに陸部の天敵に当たるのはサッカー部と言われるけど、早く走れるのは認めるが、走る事を専門にしている陸上ほど早く走る事はない。まずルールが違うからだ。

 その俺が、大学に入学して早一年になる。
 俺は陸上とは無縁のサークルに入ってる。
 そんな俺に声を掛けてくる奴が居た。
 「ねえ君」

 肩をむんずと掴まれ無理矢理に振り向かせられる。
 「何?」

 そいつは日焼けした肌にサラサラな黒髪と黒い瞳、背は俺と同じくらいか。俺の顔をジッと見つめてくるが気持ち悪い。いい加減にしてくれと思っていたら、やっと口を開いてきた。
 「陸上のシンドウ君だよね?」

 ああ、こいつもあいつ等と同じ輩か。
 あいにく俺は、そういう名前じゃないので一言で終わりにしてやる。
 「人違いです」

 それだけ言うと昼休憩が終わり、午後の講義の始まる10分前になる予鈴が鳴った。
 午後一の講義は移動教室で食堂棟を越えての北側になるので走らないと間に合わない。
 あんな奴に声を掛けられ時間を無駄にしてしまった。
 遅れたらテメェのせいだからな。

 それでも全速では走らない。
 全速で走るほど離れてないというのもあるが、ドクターストップから抜け出せてないからだ。





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