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クリスマスに芽生えた友情 (13) 

 その言葉を聞き、ヒロトは呟いていた。
 「日本人のくせに日本語の読み書きができないなんて」
 「ヒロト、1週間で教えてくれ-」
 「日本人は高校を卒業するまでの18年間で日本語を学ぶんだぞ。1週間でできると思ってるのか」
 「難しいのはいらんから、日常会話のなら1週間でできるはず」

 そう言い切ったので、日常会話の日本語を教えてあげようと思ったヒロトは外に出た。
 雪を指し示し、「黒板です」と言ってやる。
 その雪を使って日本語を教えようとしたのだ。
 だけど書くことができないと難しいので紙のノートも使いながら教えていく。
 
 「あー」
 と、先にギブアップの声を発したのはヒロトだった。
 「ヒロト、うるさいよ」
 「誰かに何かを教えるのって難しい」
 「漢字が難しい」
 「こうなると読んであげるから、それを書いていって」
 「どう書けと?」
 「ローマ字で」
 その言葉に納得したショウは親指を立てた。
 「nice job」

 だけど1時間もしないうちに2人ともギブアップした。
 「別に喋れるんだからいいのでは?」
 「日本語の意味が分からないと免許が取れない-」
 「大学に行くとか」
 「えー、せっかく国際大学を卒業したのに」
 
 その「国際大学」という言葉をヒロトは何度も口にした。
 「それだっ」
 「え、なにが?」
 「それだよ、国際だよ」
 「それが?」
 「こっちで免許取って、日本に帰国したら国際免許にすればいいんだよ」
 「飛行機のチケットが」
 「日にちは?」
 「オープン……」
 「なら、2ヶ月伸ばして」
 「ビザは来年の8月30日だけど」
 「大丈夫。余裕に取れるよ」
 
 なんとか2ヶ月掛けて自動二輪の免許を取ったショウが日本に帰国したのは9月下旬になっていた。
 免許証と申請書類を持ち、国際免許に申請する。
 名前と住所なら日本語で書けるので、安心して申請することができたのは言うまでもない。



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次話は最終話です。
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