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クリスマスに芽生えた友情 (12) 

 鏡に映った自分の顔は、涙顔にはなってないが半泣きの顔になっていたのでちょうど良かったかもと思い、思いっきり顔を洗ってすっきりして戻ってくる。
 「ヒロトは変わらないんだな」
 「なにが?」
 「そうやって私のことを知っても媚びることもなく何かを要求することもない」
 「友だちになって欲しくて」
 「それは媚びでも要求でもない」
 「なにが言いたいの?」
 
 その問いに即座に返していた。
 「見返りはなんだ?」
 「見返りって、なにそれ。ただ友だちになって欲しくて」
 「うん。だからヒロトは変わらないんだなと思ってね」
 「ショウ……」
 「だから、プライベートの方のメアドで送った」
 「それじゃ」
 「ヒロト。私たちは仲間だよ。今のままのヒロトで居てくれれば良い。馬鹿言い合ったり笑いたい時に笑えばいい。そう思ってる」
 「ショウは寂しかったんだね」
 「寂しくなんて」
 「あのね、自動二輪の免許を取ったんだ。帰国したら後ろに乗せてあげるね」
 「いつ取ったんだ?」
 「この2月」
 「お前ね、2月ってセンターだろ」
 
 その言葉を聞いたヒロトはため息をついていた。
 「本当に日本情勢に疎いねえ。センターは1月で、入試は3月だよ」
 「で、バイク買ったのか」
 「うん、バイク通学してるよ」
 
 その言葉に、ショウは呟いていた。
 「私もバイクの免許取ろうかな」
 「後ろに乗せてあげるから」
 「一発で取れたのか?」
 「仮免は2回目だけど、卒業と本免許は一発だよ」
 「ヒロトでそれなら、私も取れるかも」
 「頑張って。あ、そうだテキスト持ってきたんだ。見てみる?」
 
 うんと返事したショウは自動二輪バイクのテキストをパラパラとめくると真っ青になってしまった。
 「ショウ、どうかした?」
 「う……」
 「ショウ?」
 
 こいつになら言っても大丈夫だと思ったのか、ショウは素直に言っていた。
 「なんて書いてあるのか分からない」
 「え、なんだって?」
 「日本語喋れるけど、読めないし書けないんだ」
 「え?」
 「だって、中学からずっとここだから」
 「あ、そうか」
 「簡単な漢字ならなんとか読めて書けるけど、こんなのは無理。北欧ではドイツ語英語フランス語ができれば大丈夫なので、日本語を書いて読むことは通訳でない限り必要でないんだよ」




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