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クリスマスに芽生えた友情 (11) 

 7月中旬になるとヒロトはロヴァニエミ空港に着くと、そのままサンタクロース村へと向かった。
 土産店は閉まっているので裏へ向かう。
 その時、かまくらが溶けてないのを見ると、なんだか嬉しくなった。
 トントンッと裏口をノックする。
 少し待つとドアが開いた。
 
 「ショウ、元気?」
 「元気だよ。ヒロトも元気そうだな」
 中に入るとスーツケースが無造作に置かれている。
 思わず言っていた。
 「荷作りしてるの?」
 「少しずつな」
 「もう少しなんだね」

 ショウは珈琲を手にして渡してくれた。
 「ありがと」
 「どういたしまして」
 お互い何を言うことも無く、黙って珈琲を飲んでいた。
 その沈黙を破ったのはヒロトだった。
 
 「大学卒業おめでとう」
 「ありがとう。ヒロトも入学おめでとう」
 「ありがとう」
 
 そこで会話は途切れたが、話したいことがあって来たんだと思って顔を上げる。
 「あのね。ショウ、僕の、いや、私の友だちになってくれる?」
 「友だち?」
 「うん。僕は、私には友だちはいないんだ。知り合いはいてもそこどまりなんだ。でもショウと一緒に過ごしていた時は楽しいなと思って、本当はもっと仲良くなりたかった。日本に帰ってくるのなら、ずっと友だちになって欲しいなと思って。それを言いに来たんだ」
 「ヒロト……」
 「でね。父親に写真を見つかって、ショウのことを教えて貰った。ショウって山口財閥の御曹司だと。でも、そんなの関係ない。財閥の御曹司だから仲良くなったのではない。サンタクロース村でお土産の店をしながら大学に通っているショウと仲良くなったんだ。それを言いに来たんだ」
 
 その言葉に、涙が溢れそうになったショウは上を向いていた。
 それに気が付かないヒロトは話し続けている。
 「周りは皆が大人ばかりで同年齢の子どもなんていない私に、ショウは子どものままでもいいんだよと教えてくれた。ショウは学年も一緒だし老け顔だけど優しいお兄さんみたいな感じで」
 
 それ以上聞いていたら涙顔と涙声になっているだろうと思い、ショウは遮っていた。
 「それを言うならヒロトは童顔だよな」
 「それ言わないで」
 「背も低いし」
 「伸びたよ」
 「どうだが」
 「この1年で伸びて、なんと194センチだよ」
 「伸びたねえ」
 「でしょ」
 
 ドヤ顔している可愛いヒロトに意地悪してやる。
 「最初、ここに来た時は何センチだったんだ?」
 「あの時は16歳で175センチだった」
 「凄いなあ。2年間で19センチかあ」
 「もっと言って」
 
 その言葉にむせていた。
 「大丈夫?」
 「笑わせてくれるんだから、顔に珈琲が散った。洗ってくる」
 「はーい」




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天然同士の話し合いですね(*^_^*)

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