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クリスマスに芽生えた友情 (9) 

 翌日、ヒロトはバイト先に向かった。
 「ショウッ」
 「どうだった、渡せたのか?」
 「うん、渡したよ。夜中になったけど、オーロラも見れたし。最高だった」
 「それは良かった」
 「これ、ショウにクリスマスプレゼントだよ」
 「え、私にって」
 「今までありがとう。仲良くしてくれて嬉しかった。ありがとうね」
 「ヒロトにプレゼントなんて用意してない」
 「ううん、いっぱい貰ったよ」
 「覚えが無いんだけど」
 
 すると、こう言ってきた。
 「いっぱい話をしてくれた。また遊びに来ても良いかな?」
 「卒業するまでは居るけど、それまでなら」
 「来年の夏休みに来るから、かまくら溶けてないよね?」
 「マルクと来るのか?」
 「一人でだよ」
 
 その言葉に、なぜか安心していた。
 「温暖化されてなきゃ溶けてない」
 「あー、自然の力だけはなぁ……」


 それを機に、毎年のように夏休みに来ていたヒロトに、ショウは言っていた。
 「ヒロト、お前は受験生だろ」
 「息抜きも必要だよ」
 「高3の夏休みって受験勉強で忙しいのでは?」
 「マイペースでやってる」
 「マイペースって」
 
 ショウは笑っている。
 「あのな、ヒロト」
 「なに?」
 「大学を1年スキップして、この9月から4年生になるんだ」
 「え、それなら来年は」
 「来年の8月、日本に帰る」
 「そっか、ショウは頭良いんだな」
 「そっちの才があるみたいでさ」
 「来年の4月、私は大学に入学するんだ」
 「予定だろ」
 「東響大学」
 「おー、赤門! いくら日本情勢に疎くても知ってるぞ。そんな大学に夏休み勉強せずに入れると思ってるのか」
 「違うよ。東に響くと書いての東響だよ」
 「学長がドイツとのハーフで……って、あれ、親戚か?」
 
 思わずため息をついていた。
 「どこから、そんな情報を」
 「任せなさいっ。んでコネか?」
 「違うよ。余裕に受かると学校や塾の先生に太鼓判押されてるんだ」
 「どこの高校?」
 「その大学の付属高校」
 「はあ?その高校に入るだけでも難しいと言われてるのに」
 「入る時は一生懸命に勉強したよ。文武両道でないと無理と言われて苦労した」
 「なんか、ヒロトなら東響大学に入れそうな気がしてきた」
 「ありがとう」




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