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クリスマスに芽生えた友情 (8) 

 いきなり声が聞こえてきた。
 「メリー・クリスマスッ!」
 「皆、恒例のプレゼント配り行くぞ-」
 「オー!」

 思わず呟いていた。
 「え、プレゼント配りって」
 誰かが覗いてくる。
 「あちゃあ、寝ちゃったか」
 目の前にはサンタクロースが居た。
 「え、サン、サンタ……」

 そのサンタクロースはヒロを優しく覗き込んでいる。
 「ヒロー! 最高の時間になったよ。これから配りに行くぞ-」
 
 ヒロの頬を抓っているが、起きそうにないヒロに、そのサンタは苦笑している。
 「うーん……、サンタのかき入れ時なんだけどな、仕方ないか」
 
 そのサンタは私に話しかけてくる。
 「プレゼントを用意してないので、これだけ言っておく」と前置きして、そのサンタはヒロが話してくれたと言って、どうしてヒロがかまくらを作ったのかという話をしてくれた。
 その言葉に驚いたものだ。
 「え、ヒロがそんなことを……」

 「雪だ-」
 「ホワイトノエルだー」
 「スノウ・ド・ノエル」

 あ、本当だ。雪が舞っていると思ったら、降り出してきた。
 「ヒロ、起きないと凍るぞ」
 
 サンタもヒロを起こそうとしているのか、こんな言葉を口にしている。
 「ヒロトー。時給50ユーロ!」
 
 その金額に驚いた。
 「え、50ユーロって」
 
 ヒロの耳に届いたのだろう、ヒロの目が開いた。
 「ふわぁ……。え、あ、あれ、サンタさんが」
 「配りに行くぞ」
 「なにを」

 ヒロの声を遮るような大きな声が響いてくる。
 「オーロラだー」
 「オー!」
 「今夜は素晴らしい」
 「オーロラと雪のコンボだー」
 
 その声に反応したのか、ヒロはしっかりと目を開けていた。
 「あ、オーロラだ。マルク見て。僕ね、このオーロラを見たかったの」
 「ヒロ」
 「このかまくらから、マルクと一緒にオーロラを見たかったんだ」
 「ヒロ」
 「誕生日おめでとう。それと、あのオーロラはクリスマスプレゼントだよ」
 「ありがとう。最高のプレゼントだよ」
 
 でも、寒いので言っていた。
 「しかし、寒いな」
 「そうだね。帰ろうかな」
 「ああ、その方が良いな」
 
 寒いが、心の中は暖かい。
 ヒロ、ありがとう。





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ヒロの気持ちが届いたマルクでした。
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