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クリスマスに芽生えた友情 (4) 

 ショウからアドバイスを貰いながら自分で作っていく。
 ひとまず雪で山を作らないといけないので、屋根から下ろした雪と道路上の雪を集めて堅く踏みしめていく。
 ショウはポリ袋に水を入れて中心となる位置に三袋置いてくれるが意味が分からないので、聞くと、一言だけだった。
 「私も作ったことがあるんだ。まあ任せなさい」

 時々、雪に水を掛けながら高さ2メートル位の山を作るのに丸一日掛かってしまった。
 ショウから、一晩、山も寝かせてやったほうがいいよと言われたので、素直にその言葉に従って家に帰ると爆睡していた。
 お陰で目が覚めたのは昼前だった。
 思わずマルクに毒付いていた。
 「マルクの馬鹿。起こしてくれれば良かったのに」

 走るようにサンタクロース村に行く。
 「おー、来たか」
 「ごめんなさい、寝坊しちゃって」
 「気にするな。冬休みで毎日居るから」
 「でも」
 「それより触ってみろよ。夕べ一晩寝かせていたせいでカチコチの山になってるぞ」
 
 雪山を触ってみる。
 「冷たい」
 
 ショウは笑ってくれる。
 「わははっ、ヒロトは本当に面白い奴だなあ」
 「馬鹿笑いしなくても良いだろ」
 
 だけど、ショウは違うことを言ってくれる。
 「入り口は小さめに、奥に進むほど大きく高く掘り進んでいくんだ」
 「ショウは物知りなんだね」
 「作ったことあるからな」
 
 思わず言っていた。
 「同学年だとは思えないや」
 「ところでヒロトはいつまでここに居るんだ?」
 「クリスマスが終わるとドイツに戻り、年が明けると日本に帰るよ」
 「そっか、ならもう少しか」
 「ショウは大学卒業したらどうするの?」
 「日本に帰る。長男でね、跡取りなんだ」
 「ということは経済か」
 「ああ、そうだ」
 「日本の大学と、どう違うの?」
 「うーん、どうなんだろう。中学の時からここだからなあ」

 少し考えたのかショウは言ってくる。
 「これだけは言えるな。日本とは違い、欧米では仕事してる人も入学してくる」
 「それは言えるね」
 「勉強したい科目を選び、三ヶ月ないし六ヶ月の受講期間があるんだ。併行して受講できるし、更新して一年とか延長できる。でも、日本では最初から決まっているよな。入ったら4年間だろ」
 「医学だと6年間」
 「ヒロトは医学か」
 「親が医者でね」
 「まあ、フォン・パトリッシュは医学に重きを置いてるからなあ。店番してろ、入り口だけしてくる」
 そう言うと、ショウは出て行った。
 

 二人して穴掘りしていた。
 掘り出した雪はショウが何かにするつもりみたいだ。
 中を掘ってると、雪ではない何かに当たる。
 これはなんだろうと思い、外に居るショウに声を掛ける。
 「これはなんだ?」
 「水が入ったポリ袋か?」
 「水でなく凍ってるぞ」
 「あちゃ、氷になったか。ひとまず休憩しよう」
 「ありがと」





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