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クリスマスに芽生えた友情 (2) 

 サンタクロース村の一部をヒロが買い取ったことも知らなかったのだ。
 当初は渋っていた村民は、相手がドイルのフォン・パトリッシュだと知ると、掌を返したように高値を付けたのだ。
 相手がマルク本人だと高値は付けられないが、子どもだ。
 だから侮っていたのだ。
 その子どもが『御』の直系の血筋だとは思っても無かったのだろう。
 フォン・パトリッシュという姓は多国に存在するからだ。

  その場でドイツにテレビ電話したのだ。
 『ん、博人か。どうした?』
 「あのね、僕、サンタさんの村に居るんだけど、土地を買っても良い?」
 『いくらだ?』
 
 値段を言うと、『御』は笑い出した。
 『わははっ、マルクはどうした』
 「お仕事だよ」
 『マルクと一緒だと、そんなに高くなることは無いぞ』
 「だって、マルクには内緒だもん」
 『どうして?』
 「マルクにプレゼントしたいの」
 『サンタクロース村をか?』
 「ううん。サンタクロース村の一部に、フォン・パトリッシュの敷地を買うの。そこにマルクを呼んで一緒に過ごしたいんだ」
 『敷地を買ってどうするんだ?』
 「日本では、雪を固めて、お家を作るでしょ。暖炉も付けて」
 『雪……お家……暖炉って』
 
 何かを感づいたのか、お爺様は顔を綻ばせた。
 『かまくらか』 
 「うん。それを作るのに、場所が欲しいの」
 『夏になると溶けるぞ』
 「ううん、溶けないよ。溶けたとしても、また作れば良いだけだよ」
 『どうして?』
 「だって、マルクは仕事ばかりで、ここに来ようとしないんだよ。こんなに綺麗で素敵で楽しい所なんて他にはないよ」
 『そうか、博人は一人で寂しいんだな』
 「買っても良いでしょ?」
 『高すぎる」
 「え、そうなの?」
 『その値段ならマンションが買える』
 「いや、場所を買うだけなんだけど」
 
 どんなに言っても、お爺様は首を縦に振ってくれなかった。
 だから博人は村の人には「考えさせてください」と返すしかできなかった。





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