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最新作!! クリスマスに芽生えた友情 (1) 

  「メリー・クリスマス!」
 
  ドアが開くとともに聞こえてきた大きな声。
 それはヒロの声だ。
 「お帰り、ヒロ。帰ってきたら、どう言うのかな」
 「ただいま、マルク」
 
 マルクは動こうとしないので、こう言ってやる。
 「マルクは、どうして動かないの?」
 「寒いからに決まってるだろ」
 「外は、もっと寒いよ」
 「それはヒロの鼻の頭が真っ赤になってるから分かる」
 「子どもは雪の子だよ。これ位へっちゃらだよ」
 えへへと笑って手袋を嵌めたままヒロは自分の鼻を擦る。
 
 その仕草にマルクは思わず声に出ていた。
 「元気だなあ」
 その声が聞こえたのか、ヒロはこう返してくる。
 「マルクは暖炉から離れようとしないね。お爺ちゃんになっちゃうよ」
 「大人は暖炉が好きなんだよ」
 「でもね、今日のサンタさんは若かったよ」
 「そうか」
 
 そう、ここはフィンランドの北部にあるロヴァニエミだ。
 この市ではサンタクロースしか居ないサンタクロース村がある。
 この街は第二次世界大戦で壊滅したが、現在ではサンタクロースの公式の故郷として知られ、オーロラを見る事も出来る場所で有名な所だ。
 そんな所にマルクとヒロは遊びに来たのだ。
 もっぱらヒロのリクエストで、マルクは付き添いだ。
 そうは言っても仕事はしないといけないので、駅前の病院に働きに行く。

元気なヒロは毎日の様にサンタクロース村に通っている。
「今日は何をして遊んだの?」
ヒロは目を輝かせて応えてくれる。
 「今日ね、スノーモービルをしたよ」
 「楽しかった?」  
 「うん。すっごく楽しかったよ。マルクも来れば良かったのに」
 「そうだなあ、あと2週間ぐらいは無理かもなあ」
 「お仕事って大変だね」
 「ヒロが色々と話してくれるので、聞いてるだけで楽しいよ」
 その時、盛大にくしゃみをしたヒロは着替えてくるねと言って奥に引っ込んだ。
 

  サンタクロースしか居ないと思って同行したのだが、もっと調べておくべきだった。
 まさか、サンタクロース村がアトラクションで遊ぶ場所だとは思っても無かったのだ。
 サンタクロースやエルフをテーマにしたアトラクションで、多数のショップや土産品店やホテル等があり、一年中遊べるだなんて。
 しかも、近くには公園があり、そこは大きな洞窟の中に作られたテーマパークが。その他にも玩具工場、エルフスクール、氷の彫刻のギャラリー。冬にはスノーモービル、ハスキー犬の牧場ツアー、トナカイのそり体験等が追加される。

 ヒロは寒くても毎日行く。
 そこまでハマるものなのだろうか。
 夏に来れば良かった。
 まだマウンテンバイクやウォータースポーツの方が良い。
 でも、一番の人気シーズンは10月から翌年の5月までの期間だ。
 一番の見物であるオーロラが現れるからだ。
 11月から翌年の3月までは非常に寒く雪しかないので日照時間も短い。
 北極圏だなんて、私には無理だ。
 
 だけどマルクは知らなかった。
 ドイツではドーベルマン相手に頭を撫でているヒロが、こちらではハスキー犬やトナカイを相手に同じ様に頭を撫でていることを。
 
 
 
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リアルでもクリスマスですね~

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