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俺はノーマルだ。お前と一緒にするな! (37) 

 なんとか気を取り戻した峰岸は育成する村上を連れて自分の常務となる人物の前に来た。
 「峰岸と申します。今日は、まだ桑田常務の補佐をします」
 「どうぞ」

 だが、村上は目の前に居る人物が信じられず、突っ立ったままだ。
 峰岸は、そんな村上に気が付き小突いてやる。
 「村上君、挨拶は?」
 「え、あ、ああ……、はい」
 「別に挨拶は要らない」
 「ですよね。俺もしたくない」
 「”俺”でなく”私”と言うものだ」
 「分かってます」
 「えらく反抗的だな」
 「そんなことないです」
 「まるで嫌な物を見てる顔だな」
 「否定しません」
 「ははっ、楽しめそうだ」
 「他人で遊ばないで下さいね」
 「オンとオフは区別してる」
 「今は、どちらですか?」
 「弄られたいのか?」
 「とんでもない」
 「ま、せいぜい頑張るんだな」
 「はい」

 会議室から出ようとドアを開けたが、ふいに振り向いて来た。
 「ああ、そうだ。来週からは常務と呼ぶ様に」
 「常務って……、誰が……」
 「オンとオフを区別しろよ」

 そう言うと、会議室から一歩出た。
 その後を追う様に、村上は声を掛けていた。
 「待てよ、タヌキ野郎。そんなにも婿養子になった俺が憎いのかよっ」
 
 その言葉に振り向きもせずに応じている。
 「あんな馬鹿な女に引っ掛かるなんて、女を見る目がない証拠だ」
 「自分は、どうなんだよっ」
 「私が引っ掛けたんだ。恋愛して、学生結婚するほどのな」
 「クソ野郎……」
 「お褒めにあずかり光栄だ」
 そう言うと、笑いながら出て行った。

 峰岸さんが声をかけてくる。
 「もしかして村上君って、宮田常務の子ども?」
 「41歳は長男です。俺は4人兄弟の末っ子で、まだ30代です」
 「やり難いねえ」

 そんな峰岸の言葉をスルーして村上は呟いていた。
 「いつ、日本に帰ってきたんだ……」



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さあ、最終話まで1週間を切りました。

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