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俺はノーマルだ。お前と一緒にするな! (33) 

 見送った後、俺はうっとりとしていた。
 「はあ……、颯爽として格好良いなあ……。あの微笑も優しそうだったし、イケボだし……」

 そんな俺の気持ちを知らない利根川専務は欲望丸出しなことを言ってくる。
 「岡崎、なに1人で着替え終わってるんだ。脱げ、仕切り直しだ」
 「いいえ、もう二度とありません」
 「俺は、まだイッてないんだぞ」
 「”おこげ”相手にヤッて下さい」

 ”おこげ”とは、ソファと一緒に買ったぬいぐるみの名前だ。
 お餅を焼いてお焦げが付いてるので専務が名付けたんだ。
 俺は泣き寝入りなんてしないからな。

 その専務は”おこげ”と名付けたぬいぐるみを抱いてる。
 「”おこげ”を相手になんてできるわけないだろ。こんな純粋な奴を汚したくない」
 「なら、俺を汚しても良いってことか。このクサレ野郎!」

 なら、専務はこう返してきた。
 「汚すのではなく、俺のモノを感じろということだ。俺のを感じて、幸せ絶頂な気分を味わえということだ。他にあるかっ」
 「幸せ……、しかも絶頂だと?どの口が言ってるっ!嫌だと言ったはずだっ」
 
 すると専務は睨んでくる。
 「誰に向かって言ってるんだ」
 「元上司である専務にですよ」
 「分かってて言うのか」
 「睨んでも私には効かないことは、お分かりでしょう」
 
 その言葉に、専務は、はあ……と溜息をついている。
 しかも、ぼそっと呟いている。
 「それもそうだな。”俺”でなく”私”に戻ってるし……。あの邪魔虫野郎、今度会ったら殴ってやるっ」
 
 

 翌日、秘書課長の所へ行くと、昨日のことを言ってとどめを刺してやる。
 「警察沙汰になっても構わないのなら、警察に被害届出します。これ以上は待てません」

 溜息吐いた課長は、「副社長室へ行こうか」と言ってくれた。
 副社長も溜息吐いて言ってきた。
 「もう引き留められないのか……。仕方ないな」


 本当なら、3年前の3月末で辞めていたんだ。
 4年も伸ばしやがって。

 でも、これで安心だ。
 後は研修だな。



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