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俺はノーマルだ。お前と一緒にするな! (21) 

 場内は静かになった。
 「破門って……」
 「あいつが……」
 「どうして……」
 「どうして、あいつが破門になるんですかっ」

 テツは徹の父親である道場主に食って掛かった。
 「師匠っ!いや、小父さんっ、徹は破門って、家には、もう帰ってこないの……」

 胸ぐらを掴まれ、正面から道場主の本気のオーラを感じた。
 (怖い……)

 「テツ、お前は破門と勘当の違いを知らんのか……」
 「知ってますよっ」
 「あいつは破門になった。金輪際、この中には入れるなっ」
 「たのもーと来たら?」
 「追い出せ。でも、あいつは来ない」
 「徹……」
 「あいつはシスコンから抜け出た。それだけでも成長だ」
 「今度は、サキさんですね」


 道場主はテツを離して呟いている。
 「サキは男より強いからなあ」

 そのサキに言い寄る数人の黒帯連中。 
 「いい加減にブラコン卒業しろよ」
 「先に、弟の方がシスコン卒業してしまうなんて」
 「姉の面目丸潰れってな」
 「しかも、投げられても文句言えない状態だったよな」

 そんな事を言ってくる連中に徹の姉は一喝していた。
 「うっさいよ、あんた等」

 「あいつも言ってたじゃん。じゃじゃ馬を直せって」
 「弟に負けて悔しくないのか」

 道場主の声が聞こえてくる。
 「こいつは徹が小さい時から、ずっと見てたからな。見た目が可愛くて綺麗だったからリカちゃん人形にして遊んでたほどだったからなあ」

 思わず笑っていた。
 「ぶっ……、リカちゃん人形って」
 「あははっ。徹の奴、かわいそー」

 「大学入学の時、バッサリと髪を切ったあいつに鬘を被せてたほどだ」
 「あははっ……」
 「シスコン卒業の予兆はあったって事だ」

 「あいつは仕事で転機を迎えてる。迷惑掛けたくないという事もあり、破門にして欲しいって言ってきたんだ。その時に条件を出した。道場に居る奴、全員を倒したら破門。一人でも残ったら継げとな。裏から入るものだと思ったのだが、あいつは正門から入っていった」

 「そういう事か」
 「そしたら、師範も含め、皆が倒れてるし……」


 道場主は場内を見渡し、怒声を浴びせた。
 「貴様等、100級からやり直せっ」
 「とんでもないっ」
 「第一、そんな級は無いですよっ」

 「今、儂が作ったっ」
 「横暴だー」



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