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俺はノーマルだ。お前と一緒にするな! (19) 

 ガラッ……とドアが開く。
 「煩いなあ、外にまで聞こえてるぞ」
 「テツ、そいつを殺してっ」

 自分の名前を呼ばれ、驚いたテツは、その人の方を向いた。
 「サキさん……、え、そいつって……」

 そのテツの目の前に「こいつ」と言って押し出される。
 「とっ……」
 「よお、久しぶりー」
 「何しに来たんだよ」
 「何だよ。それが久しぶりに会った幼馴染みの第一声かよ」

 「テツ、こいつは空手を退めるらしい」
 「はあ?嘘だろっ」

 テツは俺の腕を掴み揺らしてくる。
 「お前から空手を無くしたら何が残るんだっ」
 「バイオリン」
 「それだけで食えるわけないだろっ」
 「仕事してるし」
 「どんな仕事だよっ」
 「常務秘書」

 揺れが止まった。
 「じょ……」
 「嘘ぉ……」
 「こいつが……」

 再び、揺すってくる。
 「そういうエリート秘書になったから空手を退めるのかっ」
 「テツ」
 「空手を退めて、んな上司にペコペコ頭下げる仕事だけで生きるつもりかっ」
 「テツ」
 「お前はっ」
 「好きだよ」

 再び、揺れが止まった。
 「は……」

 テツの顔は真っ赤になっている。
 「テツの、哲二の、そういう所、好きだよ」
 「徹……」
 「でも、お前にサキ姉はやらない」
 「このシスコンがあ……」
 「そのシスコンを抜け出そうとしてんだよ。協力してくれ」
 「へ……、何をすれば良いんだ?」
 「俺をボコボコケチョンケチョンにしてくれ。足腰も立たない様にな。お前ならできるよな?」


 やってやらあと呟いた哲二は、黒帯でも三段以上の人間を集めている。しかも少林寺だけでなく柔道の連中までも。
 ぐはっ……、異種かよ。

 「当の本人が言ってんだ。シスコンを抜け出そうとしてるって。それは空手を退めるのでなく、ここを退めるという事だ」
 「跡を継がないって事か」
 「まあ、師匠は柔道だからなあ」
 「あいつが空手でなく少林寺を選んでればな」
 「ここって、空手の人数少ないからな」
 「空手って、10人だっけ?」
 「子供を含めて10人だな」
 「そりゃ、無理だな」
 「なら、残るはブラコンから抜け出そうとしないサキだけか」
 「なるほどね、だから、うつけ者と呼んでたのか」




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さて、どうなるのでしょー?
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