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俺はノーマルだ。お前と一緒にするな! (18) 

 とにかく家から離れないといけない。そう思ったから正門から入ったんだ。
 ガラッ…と、ドアを開け放つ。
 「頼もうー!」

 場内に居た人は皆が手を止め、入り口を見る。が、俺を知ってる人は練習しだした。
 無視するなよと思い、もう一度言ってやる。
 「頼もうー!」

 白帯連中が集まってくる。
 えー、黒帯は1人も来ないの…、寂しいなあ。
 三度、言ってやる。
 「頼もうー!」

 やっと声が聞こえた。
 「煩いっ!邪魔するなっ」
 「無視しないでよ」

 他の黒帯連中も声を掛けてくる。
 「久しぶりに顔を見せたと思ったら、何を頼むんだよ」
 「なんだあ、喧嘩でも売りに来たのか」
 「違うっ!俺をボコボコにしてくれっ」

 「どういう意味だ?」
 「俺をボコボコケチョンケチョンにして…、こら、何処に行くっ」
 「マゾかよ」
 「ちっがーう」


 するとヤキが入った女声が飛び込んできた。
 「いいこと、皆?今、入ってきたマゾ野郎をボコボコにしてやってっ」
 「え、サキさん…」
 「でも…」

 「あの、うつけ者を殺す気で掛かれーっ!」
 思わず、その言葉に応じて叫んでいた。
 「誰が、うつけ者だよっ」
 「あんただよっ。さっきも言ったでしょ。この大馬鹿うつけ者ー」

 「意味が分からないんだけど」
 「どうしたの?」
 「ねえ、サキの言って」
 「あの大馬鹿は1人で暮らしていくと言ったのよ。空手を退めるとねっ」

 サキの言葉で、皆は一斉に俺を見る。
 「えっ」
 「嘘だろっ」

 俺の近くに居た黒帯が俺の腕を取り、問いかけてくる。
 「おいっ。お前から空手を無くしたら何が残るんだっ」
 「バイオリン」
 「んなもので食えるわけないだろっ」

 いや、食えてるのだけど。
 CDを2年に1枚売ってるので印税が入ってくるのだ。
 その金額は本業である秘書の年収を軽く超えている。
だけど、その事は誰にも言ってない。優介にさえ言ってないのだ。




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徹の実家での話が数話ほど続きます。
はたしてシスコン卒業できるのでしょうか?
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