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秘書の育成研修 (48) エピローグ・壱

 ※山岡編※



 夏休み明け、秘書課長に話をした山岡は課長と一緒に副社長に報告する。
 「どうして?」
 「秘書として、もっと力を付けたいからです」
 「私の秘書だと不満なのかな?」
 「そういう事ではないです。ただ、欲が出てきたからです」
 「そろそろ専務のメインに昇格してもらいたいなと思っていたのに…」
 「副社長、今年一杯で辞めます。それまで、宜しくお願い致します」

 だが、副社長は秘書課長に声を掛けている。
 「課長、山岡君が抜けると後はどうなる?」
 「役付けは無理ですが、長付けから2人、一般から2人なら動かせます」
 「役付けは無理かあ…」
 「やっと自覚を持ち始めた役付きが2人居ますが、できるなら動かしたくないです」
 「その2人とは誰だい」
 「徳山君と山本君です」
 「2人ともメインだな……」
 「今回の研修でスイッチが入ったみたいです」
 「何がキッカケになるか分からないもんだな」
 「そうですね。でも、色々と考えてたらしく食事や掃除は分担して運動もありましたから」

 山岡は思わず口を挟んでいた。
 「課長なんて前半の50分でバタンキューでしたよね」
 「普段してないからな」
 「でも一致団結できた。実のある研修でした」

 副社長は呟く様に応じている。
 「山岡君が、そう言うとはねえ…」
 その言葉に山岡は辛抱強く待っていた。
 まだ、何も返事を貰って無いからだ。

 「副社長…」


 副社長と見つめ合い、どれぐらいの時間が経ったのだろう。
 暫らくすると副社長は溜息を吐いた。
 「分かった。欲が出る事は喜ばしい事だ。その頑張る芽を摘みたくない。今年一杯か…」
 「はい」
 「後3ヶ月か…。改めて、よろしく」
 「ありがとうございます。残り3ヶ月間頑張ります。宜しくお願い致します」


 今年一杯の12月31日付けで退社する事になった。





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いよいよ次話で最終話です。

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