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秘書の育成研修 (47) 

 翌日、バイト先に行くと桑田社長が居るのに気が付いた。
 「社長、どうされたのですか?」
 「ん…、ああ、山岡君か」
 「常務の様子見ですか?」
 「そうだよ」

 すると、受付の隣の応接室の扉が開きボスが出てきた。
 「あ、ボス。話があります」
 
 その声に振り向くと山岡が居るのに気が付いた。
 「山岡君どうしたの?直行では」
 「ボスに話があって、先に来たんです」

 奥のリビングに引っ込んで話を聞き終わったボスは驚いている。
 「え、どうして、また…」
 「課長には休み明けに話すつもりです。正社員で雇ってくださいね」

 思わず呟いていた。
 「うーん…、バイト2人が正社員かあ…」
 「え、今、何て…、もしかして常務もですか?」
 「後釜が見つかったからって」
 「え、そんな…」
 「元々、坊ちゃんは後が見つかるまでの繋ぎだったからね」
 「そうなんだ…」

 何かが閃いたのか、山岡の顔は明るくなった。
 「なら、来年からで良いです」
 「なぜ、らい…、あ、ボーナスか」
 「貰う物は貰わないとね」
 「一気に2人になるよりは、1人ずつの方がこっちも良いな」
 「それまでスパイ役やります」
 「バレない様にな」
 「はい。ちなみに時間の問題ですので」
 「それってバレる寸前なのか…」

 くすっと笑みをたたえて言ってやる。
 「また、秘書の育成をするみたいですよ。今度は長付きで」
 「長付きって、部課長秘書か」
 「はい。今回は秘書全員でしたけど、次回も連絡するみたいですよ」

 ボスは受付の方に行こうとしているみたいだ。
 「まだ社長は居るかな」
 「おそらく、社長ではなく秘書課長がGOサインを出したから実行したのではないでしょうか。そう思います」

 その言葉にボスの足は止まった。
 「社長は関せずなのか…」
 「昨日、帰りに峰岸さんと岡崎さんの話を耳にしました。それらを纏めると、峰岸さんと岡崎さんの2人で計画を練り秘書課長のOKを貰って実行に移したのではないでしょうか。
 なにしろ秘書の研修なので、社長は課長から報告を受けるだけ。なにしろ研修相手は秘書ですからね、しかも場所は会社」
 「なるほど。峰岸君なら分かるが岡崎君に企画力があるとは思えないな。企画力の峰岸君に、行動力の岡崎君だからな。ベテランと言われてても、2人とも得意不得意な物はあるからな」

 もし連絡があったら、ちょいと捻ってみようかな。

 呟きながら、そう言ったボスに、どことなく不安を感じた山岡は仕事に出かけた。
 「行ってきます」
 「行ってらっしゃい。直帰だったよね」
 「はい、そうです」




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そうそう、貰えるものは貰わないとね

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