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秘書の育成研修 (25) 

 山本は、うー…、と悩んでいる。

 昨日の岡崎さんのを見て、自分のを見直しているのだけど。
 でも、さっきのDVDは日本語で無く英語だったし……、しかも心得なんてフランス語で書かれていて日本語訳は後ろの後書き部分に載っていたからなあ。いや、別に俺はイギリスに居た間はフランス語は必修だったのもあり分かるが、フランス語の分からない人たちは心得を見て固まってったっけ。そういう人たちを相手に、どうするべきかなあ。

 うーん……と考えている山本に榊原は近寄ってくる。
 「山本君、どうしたの?」
 「んー……」
 「あと少しで山本君の番だね」
 「プレッシャー掛けないでくれる?」
 「私のは、やり直すつもりなんだ。真面目に考えてたけど楽しもうかなと思ってね」
 「時間に余裕あるから良いよな」
 「山本君って、イギリスの何を言うの?」

 その言葉に、山本は慎重に言葉を選ぶ。
 「母の実家がカーディフなんだ。そこに居た」
 「へえ、カーディフってウェールズだよね。私はチェスターだよ」
 「マンチェスター?」
 「いや、普通のチェスター」
 「ウェールズとイングランドの境か」
 「そうそう。あー……、あの頃は楽しかったなあ」

 境とは言え、海も近くだったし。
 久々に馬に乗りたいなあ……。


 その呟きを耳にした山本は当時の事を思い出した。
 まだ小学生だった。
 親戚とか友人は母側のイギリス人が多く楽しかった。
 決めた。
 もう迷わない。

 すくっと立ち上がった山本に榊原は声を掛けた。
 「山本君、どうしたの?」
 「14時には始められるようにする」
 「ちょっと待ってよぉ…、って足早いねえ」


 邪魔の入らない所に行きたかった。
 そう、上司である利根川専務の専務室だ。
 専務室の前にある専務秘書のブースは廊下から見えるので専務室の方に入ったのだ。

 「専務、デスクをお借りします」
 自分のデスクの引き出しから引っ張り出したノートとノートパソコンを持って入ると、ノートに書き込んでいた文字をパソコンに打ち込んでいく。

 榊原なんて嫌いだ。






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今話は。。。
山本君と、副社長秘書の榊原君の、お話。
それよりも、専務の椅子って座り心地はどうだったのかな?

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2 Comments

ますみ  

それぞれの性格が如実に出てますねー!
この先も楽しみです( ´艸`)
普段は入れない場所にも行けたりして、面白いこともありそうな?
友朋の影もちらほらしてて・・・、ねぇ。

それにしても優介くんの先生ぶり、どうなるんでしょ? うふふ。

2018/10/15 (Mon) 23:01 | REPLY |   

福山ともゑ  

Re: タイトルなし

ますみさんへ
> それぞれの性格が如実に出てますねー!
ねえ、色々な人がいますよね。
今作では、この2人のやりとりも目玉の一つです。
どうなるのでしょうか?

> それにしても優介くんの先生ぶり、どうなるんでしょ? うふふ。
「見てて下さい!頑張りますから」(優介
「いつもと違う相手だから、いい経験になるよ」(悟
「頑張るね」

だそうです。
お楽しみに(^o^)

2018/10/16 (Tue) 20:45 | REPLY |   

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