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秘書の育成研修 (22) 

 いよいよ夏休み。
 土日月はプライベートで過ごした秘書は、火曜日の13時に会社へ集合した。
 皆が皆、大荷物だ。
 その荷物を向かいの和室に置き、大会議室へと向かった。

 14時からの秘書課長による講義が始まった。
 話しが終わると重役4人が社食をしている場所で、夕食を自分たちで作る。
 その日の夕食は簡単にカレーライスとサラダだ。

 重役秘書は昨年の安藤専務の島で作った事もあり手際よく作っている。
 あの時は物が無かったけど、今回は会社内とは言え、一歩出るとコンビニやスーパーがあるので足りないと買いに行ける。片付けも終わると、今度は夜の部で岡崎が講師を務める。

 22時を過ぎると和室の風呂を使ったり、道場を挟んだ両隣の和室に設置されているシャワー室を使ったりして、各自、就寝に就く。
 その日は、24時には布団には寝ていた。

 翌日の水曜は、パン党と和食党に分かれ、パン党はパンを買いに行き、和食党は握り飯と味噌汁とか、握り飯だけだったりと様々だ。皆の朝食メニューが分かるものだった。

 午前の部は10時からだけど、秘書課の連中は9時半過ぎに集まってきた。
 それに気が付いた山本は焦っていた。
 「峰岸さんっ」
 「はい、どうしました」
 「重役秘書だけじゃないのですか?」
 「課長が応募を募ると言われてたので。ああ、そろそろ来られる頃ですね」
 「何人来るのですか?」
 「25人です」
 「30人の内25人も…」
 「今日一日だけの人もいますし。講師、頑張って下さいね」


 どうしよう…。
 計画がパーだ。
 いや、昨日の岡崎さんのを思い出すと、自分のはつまらないかもしれない。


 しかし、時間は非情だ。
 あっと言う間に大会議室は秘書で埋まってしまった。

 峰岸さんの声がマイク越しに聞こえてくる。
 「おはようございます。夏休みなのに、こんなにも集まって頂きありがとうございます。10時からなんですが、カーテンを閉めるのに、2,3人ほど手伝って貰えないでしょうか。お願いします」


 DVDのパッケージを破る。
 だが破った音が周りに大きく響く。
 峰岸は、その音があまりにも大きかったせいか思わず口にしていた。
 「びっくりしたあ…。あ、煩かったですよね。すみません」
 そう言うと、心得を檀上のデスクに置きだす。
 「心得があります。置いておきますね」

 要らない人は別に良いよと言ってるみたいだ。
 その近くに座っていた人は一部を手に取る。
 「一部ずつ包装されてるんだ…」


 カーテンを閉め切り室内の電気を消しデッキのスイッチを入れる。
 その間に、何人かは心得に目を通すが固まっている。
 そんな数人に気が付いた山岡は溜息を吐いていた。
 (はあ…、これ位で固まってどうするんだ。なら後ろから見ろよ)
 





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