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秘書の育成研修 (18) 

 優介の口から嬉しそうな言葉が出てきた。
 「わぁ…。思ってたより広い」
 「神棚が無い」
 「え…、あ、本当だ。どこに礼をすれば良いんだろ」
 その言葉に思わず呟いていた。
 「誰も使って無いからなあ…」

 師匠と優介は板の間を歩いて窓に近寄っている。
 誰かが来たのか、人の気配を感じドアの方を振り返ると峰岸が居た。
 「峰岸」

 声を掛けるが無視してるのか。近くに寄ると、呆けっとしている。これは見惚れてる表情だ。なので耳元で声を掛けてやる。
 「峰岸」

 ハッと気が付いた峰岸は溜息を吐いた。
 「どうした?」
 「あ、いや…。あまりにも雅で場違いな人が居るなと…」
 「だろ。俺だって驚いたぐらいだ」


 急に優介の声が聞こえてきた。
 「わわっ」
 「優介?」

 だけど、優介は師匠と何やらしてる。
 「よく耐えたな」
 「そりゃ耐えるよ」
 「なら、もう一発」
 「だから、や、め、て、って、言って、るのっ」
 「なんで逃げてばかりなんだ」
 「護身術ですっ」
 「そう、ならば」
 「ひやぁっ…、やだぁー」

 板の間を裸足でなく、靴下のままで走り回っている。滑る筈なのに滑らないだなんて流石に優介だな。相変わらずクルクルと走り回って師匠からの攻撃を躱している。

 いきなり名前を呼ばれた。
 「徹っ」
 「え、な、何」
 「ごめんっ」

 俺は優介に前に押し出された。その先には師匠が構えていた。
 「え、嘘っ」


 投げられる。
 そう思ったら浮遊感を感じ、次の瞬間には板の間に尻もちをついていた。
 「ったー…。ゆーー、うーー…」

 師匠は呆れた声を出してくる。
 「岡崎君は受け身すら取れないのか」
 「取れますよ。ただ、いきなりは止めて下さい。おまたが裂ける…」

 今度は優介に言ってやる。
 「優介も、人を盾にするんじゃないっ」
 「だから、ごめんって言ったでしょ」
 「お前はー…」

 すると優介は言ってきた。
 「悟さん、その気になってるから」
 「え、それは、もしかして…」
 「確認の為に聞いてみたら?」

 思わず大声で確認取っていた。
 「師匠、引き受けて下さるんですねっ」
 「ああ」
 「ありがとうございますっ」






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