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秘書の育成研修 (17) 

 階段を上ってると優介と師匠の会話が聞こえてくる。
 「会社勤めの人って紺とか黒のスーツなんだね。お洒落じゃない」
 「階段にしたのはそれか…」
 「敵情視察とか会社の色とかを知りたい時は階段でしょ」
 「全ての会社が、ここみたいに社内を見渡せるような場所に階段を設置しないから」
 「病院では」

 階段の話から逸らそうとしているのか、師匠は服装の話に誘導していく。
 「白衣がある」
 「カッターシャツの上に白衣?」
 「そうだ」
 「定番だねえ」
 「それは日本だけだ」
 「他の国では?」
 「パースに居た時、何を見てたんだ?」
 「お菓子を作ったり調理したりしていた」
 「あ、そうか…」
 「でも、コンピューター会社ではシャツとGパンだったよね」
 「皆、様々だったぞ。Tシャツだったり、シャツだったり」
 「悟さんはアメリカに居た時は、どんな格好をしてたの?」
 「病院勤めしていた時はTシャツ&パンツの上に白衣で、普段はシャツとパンツ」
 「へー、大学卒業した後はスーツだったよね」
 「日本では、どうしてもスーツになるんだよな」
 「それは、どうして?」
 「日本という、お国柄だ」
 「でも、明るい色のスーツだったような気がする…」
 「あそこの院長は米仏のハーフで日本慣れしてないからな。スーツ着て行っても脱いで作業着の上に白衣だから」
 「へえ、あの院長先生ってハーフなんだ。楽しいけど怖いよね」
 「怒らすと怖いぞ」

 優介はクスクスっと笑いながら聞いてる。
 「鬼になるとか」
 「遠慮なく、人の頭を殴ったり叩いたりしてくる」
 「悟さんは、された事あるの?」
 「何回かされた事ある」
 「珍しい事が…」


 この2人の会話を聞いてると楽しくなってきた。
 4階に着くと、足がパンパンにむくんだみたいだ。
 普段はエレベーターだからなあ。
 「こちらになります」

 そう言うとポケットから鍵を取り出し、道場の入り口を開けた。







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