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秘書の育成研修 (16) 意外な姿に。。。

 あれから1週間後の水曜。
 優介の事だ。10分前には来るだろう。そう思い、それよりも早めに受付に下りた。
 待つ事数分で2人は来た。

 エントランスホールに入った2人はスーツ姿。
 う…。
 師匠が…。
 師匠のスーツ姿だなんて…。
 なんて格好良いんだ。
 男の俺でさえも見惚れてしまうほどだ。
 薄い碧色の麻のスーツに、カッターシャツは少し青味掛かっている。
 一番上のボタンは外してあり、ノーネクタイだ。
 夏らしく爽やかな感じだけど、どこか色気があり艶っぽく感じる。
 さすが師匠、あの『御』のご子息だけある。
 
 優介もスーツだ。
 こちらは淡い水色で薄くストライプの線が入っている。カッターシャツは薄い黄色だ。
 師匠と同様に一番上のボタンを外してノーネクタイ。
 本当に可愛いなあ。
 だけど、よく似合ってる。

 そこで気が付いた。
 あ、そうか。
 会社だからスーツなのか。
 しかし、格好良いし、可愛いなあ。

 普段は道着だから、スーツ姿が眩しい。

 ふと見ると、エントランスホールのロビーでは見惚れてしまってるのだろうと思える受付嬢が2人とも顔を真っ赤にしている。考えてる事が分かる気がする。だって、本当に格好良いからな。

 優介の声が聞こえてきた。
 「秘書の岡崎さんを呼んで頂きたいのですが」

 受付嬢は黙っている。
 顔を見れば分かる。
 彼女等の視線は師匠に向いてる。

 師匠の声も聞こえてくる。
 「優介、耳元で言ってやったら?」
 「はあ、何を言って…」

 深呼吸して優介はロビーのデスクを叩いた。

 バンッ!

 と、デカい音が俺の居る階段横にまで聞こえてきた。
 途端に、受付嬢の金縛りは解けたみたいだ。
 優介は、にっこりと微笑むと再度、受付嬢に声を掛けていた。
 「秘書の岡崎さんをお願いします」
 「は、はい。お待ちください」


 そんな受付嬢に心の中で毒づいていた。
 (こら、そんな事を言われただけで社内の人間を呼び出すな。受付嬢も研修が必要かな。いや、しかし見惚れるのも無理ないけどね。気持ちは分かるよ)

 なので、ロビーに出てやる。
 「ごめん優介、見惚れてたよ」
 「あ、そこに居たんだ。何に見惚れてたの?」
 「師匠のスーツ姿」
 「へー…、他には?」
 「普段は道着だから、とっても新鮮」
 「と・お・る・く・ん」
 「あははっ、優介のスーツ姿も可愛いよ」

 むうっ…と頬を膨らませている優介は本当に可愛い。

 「道場は4階になります。階段とエレベーター、どちらにされますか?」
 すかさず優介が応じてきた。
 「階段」
 
 その言葉に師匠は考え込んでいたが溜息を吐いて一言。
 「仕方ない、運動するか…」
 「では、こちらへどうぞ」

 ロビーの前を通り際、受付嬢に声を掛ける。
 「社内の人間を呼ぶ時は、相手の名前と用件を聞いてからにしてね」
 「あ、はい。そうでした」
 「すみませんでした」








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そりゃ、そうでしょ。
悟は大学時代は医学部の華の10人の内の人間だったのだから。

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