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秘書の育成研修 (14) 

 翌日の19時前に着いた2人は手土産を持ち門のブザーを鳴らす。
 「はい」
 「岡崎です」
 「どうぞぉ」
 あ、この声は優介か。

 門が開き、中に入ると勝手に門が閉まる。
 キョロキョロとしている峰岸を見てると、何だか初めて来た時の自分を思い出した。
 玄関に向かいながら峰岸は言ってくる。
 「こんな一等地に、こんな家だなんて凄いな…」
 「だろ。俺も一番最初に来た時は驚いてキョロキョロしたもんだ」

 玄関に着くと、もう一度ブザーを押す。
 少し待ってると優介が開けてくれた。
 「いらっしゃい」
 その声に2人は挨拶を返す。
 「こんばんは」
 峰岸は持って来た手土産を渡した。
 「これ、どうぞ」
 「ありがとうございます。頂きます」

 廊下を渡り、左に曲がると渡り廊下になっている。
 その右手に花壇があり、左手には池。
 その廊下を6歩ほど歩いた所に応接室はあった。
 「こちらにどうぞ」


 そう言って応接室に招き入れてくれた。
 初めて入った応接室。
 真っ先に目を奪われたのは一枚の絵画。
 それは優介が高校の時に受賞した絵画だ。その画が飾られている。
 思わず声に出ていた。
 「懐かしいなあ…」
 「何が?」
 「この絵って、東京都主催の高校生の部の展覧会で最優勝グランプリを受賞した絵なんだ」
 「何で知ってるんだ…」
 「同じ高校だったからな」
 「なる、そういう事か」

 優介の声が聞こえてきた。
 「覚えてくれてるんだ、嬉しいな。飲み物持ってきますね」
 「優介、ホットミルクティー頼んで良いかな?」
 「良いよ。同じ物でも宜しいでしょうか?」
 「はい、お願いします」

 優介が応接室を出ると、峰岸は呆れた表情で言ってくる。
 「お前はフランクな奴だなあ。さっきまでの緊張は何処行った…」
 「優介とは高校一緒だったから、緊張の糸は良い具合に程よくなるんだよ」


 暫らく待ってると、ノックが聞こえドアが開く。
 「悟さん、ありがとうございます」
 「優介も居て良いかな?」
 「はい、どうぞ」

 「前を失礼します」
 優介は、そう言うと紅茶を置いてくれた。

 ソファに座る前に、師匠にGWの件でお世話になった挨拶をする。
 「GWでは大変お世話になりました」
 「別に」
 そっけない言葉だけど、師匠にとって一大事な事で無いのは分かってる。

 ソファに座った師匠は座る様にとソファを指し示してくれた。
 「どうぞ」
 「ありがとうございます。失礼して座らせて頂きます」

 飲物も飲むように勧めてくれたので、一口含む。
 「頂きます」
 「これは…」
 「峰岸?」
 「美味い…」
 「だろ。ほら説明しろよ」

 優介は自分の淹れた紅茶を褒められ嬉しそうな表情になっている。
 「ありがとうございます」

 そう呟いた嬉しそうな声が聞こえてきた。





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