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新作!!秘書の育成研修 (1) 

 ゴールデンウィークの重役旅行後、通常の仕事に戻った。
 重役連中、特に桑田常務は見るからにフワフワ感があるようだ。検査入院は3日間だったが、常務だけは5日間だった。

 その常務が居なくなったらしい。桑田常務の秘書である峰岸は1人だけで探していた。同期で入社して、同じ時期に役付き秘書になった岡崎は、峰岸の性格を知ってたというのもあり、私服に着替えると、再度、会社にやって来た。
 「やっぱりな」

 その声に反応した峰岸は振り返った。
 「岡崎…、なのか?」
 「そうだよ。私服だと分かりにくいか?それに2人の方が早いさ」
 「悪いな」

 まだ探してないと言う細道や路地に入って行く。
 「ところで冴木君は?」
 「家に帰って待機させてる」
 「彼は曲がりなりにも、しょ…ん?」

 何かに気付いた岡崎は路地を通り抜けた大通りに向かった。
 「え…、おい、待て。岡崎っ」

 岡崎は路地を走りながら叫んでいた。
 「そこで何してるっ」

 大通りではスーツ姿の人物が3人の若者に殴られ蹴られている。
 その人物の側に走り寄り声を掛けてやる。
 「大丈夫ですか?どこか…」

 顔を覗き込むと、探し人である桑田常務だ。
 腹が立ち、その3人をノスつもりでいた。
 「貴様等あ…」
 「なに、やるってか」
 「上等っ」
 「貴様も、そいつと同じ様に刺してやらあっ」

 チンピラに拳と蹴りを入れてノシてやると常務の方に駆け寄っていく。
 なにしろ空手伍段の持ち主だ。本気でやると破門になるし、道場主の父にも迷惑が掛かる。そんな良い子ちゃんぶりの岡崎に声を掛ける奴が居た。
 「岡崎、寄り道するな」
 「ここに居る」
 「は?」

 ノシた後、桑田常務の状態を見て取った岡崎はテキパキと動いている。
 「峰岸、医者だ。殴られて内出血しているし、口の端から血が出ている。擦り傷だけでなく腹を刺されてるし気を失ってる」
 「何で、どうして…」
 
 岡崎に拳と蹴りを入れられた3人は起き上がってくる。
 「くそぉ…」
 「7千円で良いから、ずらかれっ」
 その声に反応した峰岸は足を引っ掛けてやる。
 「うわっ…」
 スーツの上着を持っていた1人は倒れた拍子に落としてしまった。他2人は倒れた1人を飛び越え走り去ろうとしている。それを見た岡崎は「峰岸の役立たずっ、何やってんだよっ」と言うと、その2人に先ほどより強めの蹴りを入れてやる。
 「お見事」
 「拍手してんじゃない。これぐらい朝飯前だ」
 「いや、でもカッコ良かったぞ」
 「親が道場やってんだ。子どもは強制的に入らされる」
 「何をやってるんだ」
 「空手だ」
 「へえ、凄いや」
 「それよりも常務が先だ」
 「あ、そうでした」

 警察と救急車を呼び、社長にも連絡を取った峰岸と岡崎は病院に付いて行った。





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『ゴールデンウィークは能登半島』の続きとなります。

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