4周年記念SS (10) 

 ”ほう、何をしているのかと思えば…”

 この声は何だ。
 
 ”よくも吾を封じてくれたな”

 封じるって何だ。俺は何も…。
 その時に気が付いた。
 「まさか…」

 ”精一杯の力で蘇った。この姿は今宵限りの期限付きだ”
 「あ…、どうやって」

 ”貴様の射撃の腕は見事だったぞ。あれには舌をもまいた”
 「サンクス」

 ”ふ、吾のお気に入りのダガーをペンダントにしてるとはな。よく、それを見つけたな”
 「探し物は得意でな」

 優介はガタガタと震えてるので、抱きしめてやる。
 「さ、悟さん…、あれは…」
 「大丈夫だよ。俺にしがみ付いてて」
 「でも、あの色って…」
 「大丈夫。何があっても、お前だけは守る」
 「うん。信じてるよ」

 その言葉は俺にとってのエネルギー源だ。
 深呼吸して息を整える。
 「何か用か?」
 ”貴様に贈り物してやろうと思ってな”
 「何を?」

 ”受け取れ”

 そう言うと、口を開けると火ではなく金粉を噴き出した。
 「これは…」


 ”吾は火を噴く事は出来ぬ、まだ子供の龍だ。何百年もの間、人間は吾の杯に色んな物を押し込み、火を噴く事はおろか眠る事しか出来なかった。それを50年近く前、5人の小さい人間が吾を押し込め、尾を動かさない様にと杭を打ち付けてきた。吾の肉体は、まだ繋がれたままだ。これから何十年も何百年も掛けて滅び土に還るだろう”
 「何故、それを私に…」

 ”何故だろうな。それは吾にも分からぬ。ただ、あの銃弾を受けて感激したのは確かだ”
 「感激…」

 ”吾は、吾の生まれた天空に帰る。神の加護を受けた銃と身体を持つ者よ。その金の粒をダガーの柄の蓋を開けて入れておけ。そうすると最強の御守りになる”
 「え、この金色の粉が…」

 ”人間とは寿命が短かい生き物だからな。贈り物である金を入るだけ入れて身に付けろ。二人揃って気品が出てくるだろうよ。お前の気を吸ったお蔭で、吾の気質は和らいだ”
 「え、それって…」

 その龍は、こう答えてきた。
 ”他にも何人かの気も吸ったが、あれらは駄目だ。その代わり、お前は荒々しくもあり気品もある人間になった。お前なら上手くコントロール出来るだろう。もう時間だ。じゃな”


 そう言い残すと、フッと消えていった。
 残ったのは、辺りに散らばった金粉だけ。
 荒々しかった波は龍が消えると共に静かになった。







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邪魔者は、『龍』でした。

違うサイトでエロ無しのファンタジー小説を龍視点で書いて更新中です。
 悟が出演しています。
 一緒に読んで頂けると幸いです。

  『龍神の宮殿』



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