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4周年記念SS (4) 

 悟さんの口笛が聞こえてくる。
 「これはこれは…。一巻の終わりだな」
 「そんな事、言わないで…」

 意地悪な悟さんは、俺をそっとしてくれないみたいだ。
 「優介、あれ見てみろ」
 「もういい…」
 「どうして?」
 「動けない…」

 今度は座り込んでしまった。

 わははっ…。
 大笑いしてくれるけど、本当に腰抜けたんだよ。
 だから言ってやった。
 「笑ってくれるけど怖いんだからね」
 「優介、昼まで居た所が見えるぞ」
 「え、昼までって…、龍の所?」
 「ああ、崩れた崖が見える」
 「どこ?」
 「記念に撮っておこう」


 脚に力が入らないので、そのまま座り込んでいたら、パシャッ、パシャッとシャッターの下りる音がする。何枚か撮ったのだろう。するとモニター画面を見せてくれた。
 「ほら、これ」
 「わあ…、この金色部分って」
 「宮殿だ。で、次はこれ」
 「自分の目で見たいから、ちょっとだけでも支えてて」

 ふと、何かに気が付いた。
 「ちょっと待って。さっきの見せて」
 「これか?」
 「いーや、俺が映ってたでしょ」
 「ああ、こっちか」

 それは、展望台の吊り橋を数歩ほど歩いた時のだ。
 すると次々と見せてくれた。
 「なんで撮るの…」
 「タイトル付けるなら”腰抜け泣きべそ優介”だな」
 「悟さんの意地悪っ。削除してよっ」
 「嫌だね」
 「ほんとに意地悪なんだからあー」

 




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違うサイトでエロ無しのファンタジー小説を龍視点で書いて更新中です。
 悟が出演しています。
 一緒に読んで頂けると幸いです。

  『龍神の宮殿』

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