GW旅行は能登半島 (44) 

 自分の部屋に戻った政行はバイト先のボスに電話していた。
 利根川から言われた事をも話すと、こう言われた。
 『まあ、引継ぎはしなかったからね。峰岸君なら4歩位先まで手を考えるから、頭の回転をよくしないと言い負かされるよ』
 「それ、早く言って下さい」
 『土曜日だけにしようか。送迎有りだと平日は来れないね』
 「すみません」
 『ふふ、どんな風に峰岸君を言い負かすことが出来るのか楽しみにしてるよ』
 「アドバイス下さい」
 『頑張れ』
 「くそぉ、シンプルなアドバイスありがとうございます」


 うーん…、どうしてやろうと考え込むと声が聞こえてきた。
 「ただいま。何を考え込んでるんだ?」
 「お帰りなさい」
 「話し声聞こえたけど、掛け持ちして大変じゃないか?」
 「どこから聞いてたの?」
 「”アドバイス下さい”ってとこ」
 「それって最後じゃん。人を顎で使うにはどうすれば良いのか聞いていたんだ。そしたら”頑張れ”って。嘉男さんは何かアドバイスある?」
 「んー…、タメで言うとか」
 「タメ口で?出来るかなあ」
 「俺には秘書は居ないが、朝巳が秘書代わりだからなあ」
 「アサミコーチかあ…」
 「他には、俺と話してる感じで話す」
 「大丈夫かなあ」
 「あと、敬語は使わない」
 「えー、どうしても使っちゃうよぉ」
 「ありがとう、よろしく、おはよう、お休み、ああ、と言う様に簡潔に応える」
 「うー…」
 「でないとナメられるぞ」
 「くそぉ…」
 「独り言のつもりで呟くように言う」
 「はー…、無理そうだわ」
 「お前ねえ」
 「笑ってくれるけど、どうしてもなあ…」
 「まあ、今日はゆっくりお休み」
 「そうさせて貰う。お休み」
 「お休み」

 その時、気が付いた。
 そうだよ、毎日一緒に暮らしてるんだ。
 お手本にしようと思って、そのままにしておいたんだっけ。

 嘉男さんの様に言えば良いんだなと、なんとなくだが思って眠りについた。







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