GW旅行は能登半島 (34) ~合流

 おずおずと病室を覗いてる人が居た。
 「あの…」
 「安藤専務、お帰りなさい。大丈夫ですか?」
 「その…、何て言えば良いのか。まさか3人が」
 「安藤専務、荷物のチェックして下さい。東京に戻りますよ」
 「その…、これが瀬戸常務の荷物で」

 その荷物を岡崎は受け取った。
 「してくれたのですか?ありがとうございます」

 こちらもまた、おずおずとしている。
 「その…、社長大丈夫ですか?」
 「高橋君、君も大丈夫か?」
 「あの…、これ坊ちゃんの荷物です。誰に渡せば良いですか?」

 その声に峰岸は応じた。
 「高橋常務、私にお願いします」
 「はい、どうぞ」

 その荷物を受け取った峰岸は嫌味を込めて返した。
 「ありがとうございます。早くしないと置いてけぼりになりますよ」
 「あ、いや。自分のは背負ってるので」
 「意外と早いんですね」
 「言われるだろうと思ってね」
 「それは良い事です」


 そして、こちらは上二役。
 「社長、いつまでベッドの中にいるつもりですか?」
 「荷物のチェックして下さい」
 「時間無いのですから」
 「う…、政行の父として残りたいな」
そう言うと、秘書は3人とも睨んでくる。
 「はいはい、分かりました」

 今度は副社長だ。
 「副社長も、御自分でして下さいね」
 「そうですよ。社長と一緒に布団虫になってどうするのですか?」
 「さあ、早く起きて下さい。もう治ってる筈です」
 「はいはい」

 執事がしてくれたので荷物確認なんて出来るはずない。
 それは社長だけでなく副社長も同様だ。
 2人して頭をポリポリと掻いてベッドから降りロビーへと向かった。


 岡崎はロビーに向かう途中で姿を見つけた。
 「優介、そこに居たんだ。あのね、あ…、師匠」
 「徹、どうしたの?」
 「ちょっと待って。師匠お帰りなさい。優介は一人だけ言い切ってましたよ」
 「何て?」
 「皆が、もう駄目だと言ってるのに、優介だけ『生きてる、死んでない』と言い切ってたんです」
 「へえ、優介は私を信じてくれてるんだな」
 「徹、言わなくて良いっ」
 「まあまあ。でも、本当に良かった。あのね優介、これから上司の入院先に行くんだ。それを言いたかったんだ」
 「ここでなく、違う病院なの?」
 「うん、総合病院」
 「そう…、お大事に」
 「ありがとう。それじゃ、また」
 「徹も気を付けてね」
 「ありがとっ」

 悟は、ポケットの中に手を突っ込み取り出した。
 「これやる」
 「え、何ですか?」
 「龍の宮殿から貰ったものだ」
 「まさか勝手に…」
 「漁り放題だったぞ」

 その言葉に思わず反応していた。
 「ちょっと悟さん」と唖然とした優介に対し、何食わぬ顔で悟は付け足してやる。
 「その宝玉付きは御守りになるから身に付けた方が良いぞ」

 先ほどの言葉に笑っていた岡崎は返した。
 「ありがとうございます。頂きます」

 
 少し歩くとロビーの椅子が並んでいる。
 皆が集まるまで待っていよう。
 そう思い椅子に座り、先程師匠から貰った土産を取り出し見る。
 「うわぁ…、金一色だっ」

 小さいながらでも、金一色の龍だ。
 その龍は丸くなっており、虹色に輝いてる宝玉を包み込んでいる姿だった。
 「師匠、ありがとうございます。宝玉付きは御守りって言ってたな。綺麗だなあ、大事に身に付けておこう」






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はい、それも龍神の宮殿から勝手に漁ってきた物でした(チャンチャンッ

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