GW旅行は能登半島 (32) ~秘書Side

 「社長、え…、なんで秘書が全員居るの?」
 「峰岸っ」
 「峰岸さん、大丈夫ですか?」
 「うん、私は大丈夫」

 そう答えると、峰岸は社長のベッドに近寄る。
 「社長。ご子息と利根川専務と瀬戸常務は総合病院で入院中です」
 「どうして…」
 「龍に血を取られた利根川専務は集中治療室でバイタルチェックを受けながら輸血中です」
 その言葉に利根川専務の秘書2人は驚きの声を上げた。
 「え、嘘っ」
 「専務…」

 続けて言ってやる。
 「ご子息と瀬戸常務は気を吸われ取られたので点滴中です」
 瀬戸常務秘書の岡崎は驚いてる。
 「え、そんなっ」

 さすがの社長も驚きの声を上げた。
 「生きてるのか?」
 「はい。3人共元気一杯だと医者から言われました。応急処置が良かったそうです」
 「まあ、あいつが、いや、あの2人が居たんだ。当然だろうな…」


 峰岸は秘書皆に声を掛ける。
 「ところで、どうして皆が居るの?」
 「岡崎さんから連絡貰って来ました」
 「何日も大変だったでしょう。大丈夫でしたか?」
 「あそこに居たのは2時間ぐらいだったけど?」

 その言葉に皆は大声を上げた。
 「え…」
 「何言われてるのですかっ」
 「今日はGW最終日ですよっ」

 皆から他にも言われたが呟きが声になっていた。
 「そんなにも時間経ってたのか…」
 「時計見てます?もう最終日の朝ですよ」
 「そんなに時間の流れが違うんだ…」

 その時、ふと気が付いた峰岸は重役連中に話し出した。
 「あ、そうだ。皆さんのテント等の片付けはジェットクルーの方たちがしてくれました。
 テントを返却して、荷物はここのロビーに置かさせて貰ってます。御自分で荷物の確認をお願いします。ここは明日からは通常営業ですので。秘書も居る事だし、各自尻を叩いて荷物の整理をさせる様に。それと、山本君、玖倭田君、岡崎君の3人は荷物確認次第、私と一緒に県立総合病院に行きます」
 「はいっ」


 及川は手を上げる。
 「あ、あの…」
 「及川君、何か?」
 「今日中に東京に戻るのなら9時20分の電車に乗らないと戻れないのですが」

 即座に社長が応じる。
 「別に明日でも良いぞ」
 その言葉に副社長が応じる。
 「今日は中間地点まで行って温泉にでも浸かってゆっくりして疲れを取っても良いですね。明日には東京に帰り着く様にしましょう」

 その言葉に、秘書全員が全く同じ言葉を口にしていた。
 温泉という言葉には非常に惹かれるが、心を鬼にしていた。
 「何を言われてるのですか。今迄ゆっくりと寝てたでしょう。崖の上から落ちただけで、龍に血を取られたり、気を吸われる事も無かったくせに。3人は別として、元気な7人が顔を見せないと会社の士気に関わります」

 峰岸は畳み掛けてやる。
 「及川君、今は何時ですか?」

 及川は常務秘書の顔をして答える。
 「8時です。でも駅まではどんなに早く走っても20分掛かります。徒歩だと40分弱掛かります。でもこれだけの人数ですから、何人かはもっと時間掛かるでしょうね。徒歩なら1時間弱、走りなら30分掛かるとみて行動した方が良いです」
 「それでしたら及川君をリーダーとして皆は動いて下さい。そうしたら間に合うでしょう」
 「はい」
 「岡崎君と山本君と玖倭田君と私は3日ほど泊まりです」
 「はい、分かりました」

 及川は、付け足して言ってやる。
 「1本遅らすと、昼の15時の便になり、中間地点に着くのは夜の22時過ぎです。ただ夜の電車はないので、一夜を野宿するようになります。なので、東京に着くのは明日の昼過ぎになります。
 9時には駅に着きたいので、各自、上司の尻を叩いてさせる事」
 「はいっ」


 他にも帰り方はあるのだが、往復の切符を持っている及川は一番有効な手はこれしかないと思ったから言っただけだ。

 その帰り方とは飛行機だ。
 一日に数本だが、国内線に乗れば数時間で東京に着く。
 それを言わなかったのは、最終日の前日にやってきた残りの秘書に対しての仕置きだ。
 重役秘書という自覚も低ければ、意識が薄い。しかも自分が送ったメールはスルーされ、岡崎さんからのメールに反応して返事を送ってきたほどだったからだ。







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うんうん、及川君も常務秘書なのにね。
スルーされるの嫌だよねえ

6月なのに、このブログでは、まだGW、5月です。
あと20話分ほど、お付き合いください<(_ _)>



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