GW旅行は能登半島 (31) ~帰還。。。

 こちらは地上組。
 何か変わった事が有ったら連絡を、と言われてパソコンのモニターを睨んでいた。
 来る日も来る日も。
 GW最終日になっても、あっちから連絡が無ければ、こちらも変わりない。
 ただ、各重役の秘書が全員来た。
 それだけだ。


 「嘘だろ…」
 「安藤専務…」
 「戻って来て…」
 「利根川専務…」
 「真っ黒でも笑わないから…」
 「高橋常務…」
 「社長、このままだと…」
 「政行…」
 「親父、涼伯父さん…、ああ、もうここを出る準備しないと、今日中に東京に戻れない…」

 さすがの岡崎も真っ青だ。
 「優介、師匠は…」
 「死なない」
 「だって、もう何日も…」
 「悟さんは死なない。昌平さんも死なない」
 「気持ちは分かるが」
 「あの2人は、俺を置いて勝手に死ぬ人じゃないっ」
 「ゆう…」
 「それに、死んだなら連絡が来る。でも、まだ来な」いから大丈夫。と言いたかったが突然騒がしくなった。

 「おーい、宮殿だっ」
 「宮殿が見えるぞっ」
 「皆、支度しろっ」
 「まだ50年経ってないのに…」

 その声に常務秘書の及川は窓を開けた。
 「宮殿…。ほんとだ。嘘っ、皆はっ」

 霧が晴れて宮殿が丸見えだ。

 あれが、龍神の宮殿…。
 岡崎の呟きが聞こえたのか及川は訂正していた。
 「岡崎さん、龍神のではなく”御神龍の宮殿”なの。間違えないで下さいね」

 だが、龍神の宮殿で反応した人が他にも居た。
 「え、龍神の宮殿…」
 「50年に一度現れるっていう、アレ?」
 「だからあ…。いいから、よく聞いて覚えて、山本君と冴木君。龍神ではなく”御神」

 訂正してやろうとしてたのに、元気な声が響いてきた。

 「たっだいまー!」

 その元気な声に反応した優介は開けっ放しにしていたドアから飛び出した。
 走り寄ると、元気そうな2人が目に飛び込んできた。
 「昌平さんっ」
 「優ちゃん、ただいま」
 「お帰りなさい。昌平さん、新一さん、2人ともお帰りなさいっ」
 「ただいま」
 「悟さんは?」

 それに答えてくれたのは新一さんだった。
 「ここの処置室で皆のバイタルチェックしてるよ」
 「2人とも怪我は?」
 「無いよ」


 すると、また騒がしくなった。
 「うわあっ…」
 「宮殿が崩れた?」
 「何があったんだ…」

 宮殿が崩れたなんて、もしかして…と思った及川は呟いていた。
 「もしかして龍を退治できたのか…」
 「退治でなく封印したんだ」

 声を掛けられ、病室のドアの方に振り向く。
 「親父、生きて…」
 「涼も元気だ」
 「良かった…」








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