GW旅行は能登半島 (29) 

 弾を飲み込むことが出来ず、喉の奥につっかえる。
 「黒舌が伸びてきたっ」
 「その舌を目掛けて剣を振りかぶれっ」
 その言葉に安藤と高橋が同時に剣を振り落とすと、少し口が開いた。
 
 「もっとだっ」
 それを見た利根川は気力で立ち上がると、その舌にナックル拳を見舞わせる。すると龍の口はもっと開き、本来の真っ赤な舌が出てきた。
 すかさず新一が鼻孔に短剣を投げ入れると、口は完全に開いた。

 「今だ、放てっ」
 その言葉に、本来の勘と力を取り戻した瀬戸は、全国大会優勝2連覇の力を発揮して強く鋭い矢を両目と喉の奥へと放っていた。
 何も言えない龍の声が頭の中に響いてきた。
 ”許さない、許さない。絶対に許さないっ!”


 瀬戸の弓矢の様子を見ていた悟は無意識に目を細めていた。
 ほう、これは素晴らしい腕の持ち主だな。だけど、それだけだと足りない。
 そう思ったので龍の近くに寄り、奥に向かって一弾倉を空になるまで撃つ。
 
 ズキュズキュズキュッ…!


 「死んだか?」
 「その手前かな」
 「OK。それじゃ入れるか」

 ジェットクルーの手を借り、その龍を箱の中に押し入れてやる。
 あんなにデカかった成龍が、どうやったらこんな小さな箱の中に入ったのだろう。
 暫らくすると声が聞こえてきた。

 ”体が動かない”
 「当たり前だ」

 ”喋れるのに”
 「計算して撃ってるんだ」

 ”そんなチャチな物に”
 「気が付かないか。これは洗礼を受けた護身銃だ」

 ”なんで、あんな弾を”
 「見つけたからさ。鉛玉だと無理なのは分かってるから入れ替えた。それだけだ」

 ”貴様、何者だ”
 「医者だ」

 ”にしては”
 「詳しく言うと、デジタルドクターであり、スポーツドクターであり、ヒューマンドクターだ」

 ”他には?”
 「まだ分からないのか?洗礼を受けた護身銃を通ったから弾も洗礼されたんだ。それを、貴様に向けて撃ったんだ。神の加護付きでパワーアップした弾丸でな」

 ”くそぉ、それでかっ”
 「人間に危害を与えようとした。してはいけない事だろ」

 ”自由に空を飛び回り、駆け巡りたい” 
 「死ぬと自由に出来るぞ」

 ”魂ではなく、この身体でだ”
 「それは無理な話だな」


 「よし、後は蓋を閉めるだけだ」

 ”貴様等、絶対に許さない”
 「50年ごとに起こる地震とかは、もう御免だな」
 「地盤が緩んで人も住み付かなくなってきている。ここで暮らす人間にとって死活問題だ」

 ”吾をどうするつもりだ”
 「封印する」
 「もう出てくるな」

 ”勝手な事を”
 「どっちがだ」
 「大人しく成仏するんだな」


 そう言うと、現世と異世界の狭間に当たる場所を確実に見抜いた涼は、そこへ箱を置いた。
 「いつでも良いぞ」

 その言葉に、悟は銃を構えた。
 「外したら、俺が撃ってやる」

 そんな涼の言葉に、悟は返してやる。
 「ふん、見てろ」








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さあ、悟の腕前は如何に。。。?
その悟に褒められるだなんて、素晴らしい力を発揮させた瀬戸常務に拍手(^-^)//""ぱちぱち

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