GW旅行は能登半島 (18) ~異世界。。。

 「えらく霧が濃いな」
 「霧が出た時点で異世界だ」
 「地上との通信は」
 「駄目です。こうなると自分の目で見るしかないです」
 峰岸はそう応えるとジェットの窓から外を伺い見る。
 目を凝らすが何も見えない。

 だけど、地上隊には小屋の柱が見えてる。
 あの小屋が柱だけになっていても、尾をしっかりと押さえ込んでいる。
 あの柱が36本全てが折れたり抜けたりすると尾は動き、自由に空を駆け巡る。
 そうなると地上では何も出来ない。
 
 優介は心の中で舌打ちをした。
 「徹…」
 「優介、どした?」
 「あっちと通信出来ない」
 「え?」
 「何かが邪魔してるみたいだ」

 久和田常務秘書の及川が応じている。
 「それは、あっちが霧の中に居るという事だ」
 「及川君、それはどういう意味?」
 「霧の中に入ると異世界に入った事になる。向こうに行ったのが峰岸さんで良かったよ。私だとパニクッて何も出来ない…」

 「優介、代わって」
 「良いけど」
 「電波だから邪魔されるんだろ。信号でいく」
 「岡崎さん…」
 「幸い、もう一機ある。山口君か山岡君、どちらでも良いから乗って信号を送って」
 「はい、それじゃ行きます」
 「じゃ、山口君よろしく」

 及川はしつこい。
 「だから、あっちは異世」
 「異世界、異世界と煩い。諦めてどうする。及川君は他の秘書に連絡しろ」
 「だって、だって…、もう、異世界に入って何時間も音沙汰無いし…」
 「ああ、もう…。腹立つなあ。うじうじぐずぐずと煩いよ。黙れっ」

 パソコンのメールソフトを立ち上げると気が付いた。
 「優介、パソコン借りるよ」
 「それ悟さんのだから。壊さなければ使って良いよ」

 その言葉に、はたと動きが止まった。
 「そうでした。これは師匠のだ。壊すと怒られる…」

 岡崎は未だ連絡の取れてない残りの秘書にメールした。








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