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GW旅行は能登半島 (6) ~一夜明けて

 目が覚めると太陽が昇っていた。
 え、太陽?
 なんで太陽が見えるんだと思ってたら、屋根が無い事に気が付いた。
 思わず声に出ていた。
 「何だこれっ?」

 出入り口の壁は残ってるが、他の三方の壁は無くなっている。
 俺じゃあないぞ。安藤と坊ちゃんに挟まれて寝てたんだからな。
 まだ寝ているのは社長と桑田専務と本田の3人だ。他は何処に行ったのだろう。

 壁の無い所から出ると、残りが居たので小屋を指し聞いてみる。
 「これはどうした?」
 「利根川専務、申し訳ありません。私の足が当たって、そのまま崩れてしまいました」
 「え、瀬戸君の?」
 「はい。本当に申し訳ありません」
 坊ちゃんが口を挟んでくる。
 「触ると壊れるって言っておいたからね」
 「気を付けていたのですが…」
 「大丈夫ですよ。気にしなくて良いですよ」
 安藤も口を挟んでくる。
 「瀬戸君だけじゃないから。社長は寝相が悪くてコロコロと転がってたしね」

 なるほど、だからあんな所で寝てたんだなと納得した。

 副社長の声が聞こえてきた。
 「出来たよ。まだ起きてこない人を起こしてきて食べよう」
 「はい、起こしてきます」
 自分が壁や天井を壊して申し訳ないという思いなのか、瀬戸は率先して動いている。
 坊ちゃんも小屋に行こうとしているので声を掛けてやる。
 「昨夜は寝れたか?」
 「え?」
 振り向いてきたので、もう一度聞く。
 「昨夜は寝れたか?」
 「あ、はい、ぐっすりと寝れました。そ、その…腕を借りてました。ごめんなさい」
 「ぐっすりなら良い」
 「あの、起こしてきますね」
 「ああ」

 俺の腕を枕にしてぐっすりね。
 嬉しいな。
 でも、これで一つ貸しだな。


 2人で3人を起こして外に出てきた途端、残った壁が崩れ柱だけが残った。
 「今のは誰だー」
 「最後に出てきた奴だろう」
 そんなからかい半分の言葉に応じたのは桑田だった。
 「それは私の体重に反応したという事か。でも、何で他の壁は無いんだ…」
 高橋は笑いながらこう返した。
 「寝相の悪い3人が壊したんですよ」
 「ったく。でも、よく保ったよな。お疲れさん」
 最後の”お疲れさん”は、小屋に向かって言っている桑田は優しそうな表情をしている。
 副社長が場を〆てくる。
 「さあ、食べたら登るよ」

 副社長に聞いていた。
 「副社長、これは何ですか?」
 「簡単な物しか出来なかったけれど、お焼きとクレープの中間みたいな物だよ。高橋君が蜜柑を見つけてね、それと一緒に食べよう」
 「頂きます」

 何も無いよりましだ。








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