BL風味の小説

BL風味のオリジナル小説です。
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「夏」と言えば。。。 ~おまけ~

そして、パリにあるフィルの会社に寄ったユタカは、コンピュータでサニィの事を調べた。
自分しかアクセス出来ないデータベースを開ける。
サニィ、サニィ、サニィ…。


 「サニィって、なんで今頃になって『白』の奴を調べてるの?」
この声はフィルか。
ったく、抜け目がない奴め。
仕方ないと思い、フィルに聞いていた。
 「お前、こいつの事を憶えてるか?」
 「そいつは影武者やってたから、色んな国に行って、ロビィとエディとミケーレと一緒に連れだって…。今は、皆、自分の国に戻ってるんじゃないの?」


他にも知ってそうな口ぶりだな。
なるほど、ロビィとエディとミケーレね。
少しばかりデータを更新してやる。
その時、4人のデータを追加してるとサニィとミケーレのデータが出てきた。
ってか、サニィってオーストラリアかよ。
しかも、ミケーレってイタリアだし。
そうかよ、そっちの方で私の事を調べれる事が出来たのだな。
ったく、もう。

フィルの声が聞こえてきた。
 「そういえば、あいつってヘンリーと一緒に女装遊びしてたけど、まだ女装してるのかなあ」

そうかよ、あいつの手の込んだ女装って、趣味の範囲かよ。
すっかり女性だと騙されてケツまで掘られた私って、何だったんだ…。
 「お前、全員のを把握してるのか」
少し間があった。
 「最近のは更新してないけど、どうしたの?」
 「少しでもデータを更新したい」

ラジャと返したフィルは、仕事用でなく私用のコンピュータからデータをBUして渡してくれた。
見てろよ、あのサニィめ。
私の力を思い知るが良い。  


 「ところで、フィル」
 「ん?」
 「スタッフが増えたな」
はははっ…、と笑いながら言ってきた。

 「何年経ったと思ってるんだ。それに、2人は、同じ側付だった奴だよ」
 「名前は?」
 「その中に入ってる」

はいはい、と言って側付のデータを開いてみる。
備考欄に色々と書かれてある。
なるほど、新しいスタッフとは、この2人か。
ふむ、シャルルとアンドレね。

珍しくフィルは耳打ちしてきた。
 「サニィには近付かない様に」
 「どうして、それを言う」
 「サニィは銀髪の男が好きだから、近寄ると貞操が危ないよ」
 「分かった」

その忠告は遅い、遅すぎる。
すでに貞操を奪われた後なんだ。


しかし、フィルもバカではない。
ああ、もしかして既に奪われたのかと気が付いた。



そして、博人は友明をロシアの別荘に連れて行った。
そこでは元側付だったニコライとステファンが掃除をしている。
 「お帰りなさいませ」
 「ただいま。二人とも、ちゃんと休暇を取ってる?」
 「それは、どういう意味でしょうか?」
 「働き過ぎは身体に良くないよ。それに、3日間ほど、2人きりにして欲しい。まだバカンスを取って無いのなら、明日からでも良いから取って休んで欲しいんだ」
 「ああ、そういう事でしたら」と、ニコライが即答しかけようとすると、ステファンが遮ってきた。
 「でも、屋敷の警備は必要です」

友明は、ここに来ると毎回のごとく、うんざりしていた。
なので、今回も言っていた。
 「それなら、今回も警備の仕事をお願いします。屋敷内の掃除等は私がしますので」

その言葉に、2人は頷いた。
 「はい、分かりました」

そして、博人に向くと言ってやった。
 「いつも言ってるでしょ。あの2人の仕事を奪わないでっ、て」

その言葉に苦笑する主人の顔を見てると、若かりし頃の『御』の面影と重なって見えた。
まるで、『御』と細君みたいだ。



そう、この2人だけは実際の『御』の事を知っているのだ。
ロシアに住みたいと言ってくれた孫の言葉を信じて、初代『御』であるアダム=バーンズは20人居る側付の中で、ロシア人であるステファンとニコライに全てを話していたのだ。
 「側付を卒業した暁には、私の孫であるヒロトの側に付いて欲しい。
住む場所はあるんだ。
そこに住み込みで、お願いしたい」

 「畏まりました。ヒロト様がロシアにお越しの時は従事させて貰います」
 「それまでは、皆と一緒に側付の仕事に従事させて頂きます」


卒業して、皆がばらばらになった現在。
既にロシアに帰郷していた2人は、情報収集から始めた。
独自のコンピュータを開発してプログラムを構築していた。
それは、ドイツ仕込みでもなくイタリア王子から教えてもらったやり方でもない。2人でアメリカに渡米して勉強して培った知識とコンピュータ会社で培ったもので組んだコンピュータプログラムだ。
自分たちで収集しながら凍結してアクセス出来ない様にブロックする。
だが、ハッキングしようとアクセスすれば、ルートを辿って相手のコンピュータから根こそぎデータを奪い取り爆発させる。
それは、サトルが金を支払ってまで手に入れた、仕掛けプログラムだった。
ただ違うのは、自分たちのはオリジナルでありバージョンアップさせているという点だ。


だから、ユタカは知らなかったのだ。
この2人の居場所を。
だけど、フィルのデータのお蔭でロシアに帰郷していることが分かった。
だけど、それだけだった。
現在では、それ以上の事は把握出来なかった。

ユタカは呻いていた。
 「うー…」
 「どうしたの?」
 「夏なんて、夏なんて大嫌いだ―!」
溜息と共に口から出た言葉は、これだった。
 「最悪……」

それを耳にしたフィルは勝ち誇って呟いていた。
 「なるほど、ボスは調べることが出来ないって事か…」

その言葉に、ユタカはギロッと睨んでいた。
 「フィル、さっさと働けっ」


元側付に身体の貞操を奪われただけでなく、この元側付に嫌味を言われるだなんて。
しかも、友は何処に行ってしまったんだ…。
あのクマ野郎の足取りさえも分からないなんて、こんなの最悪しかないじゃないか。


私にとって、「夏」は大嫌いな季節になってしまった。








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