18禁!ネコの事情 (3)

学校に着くと、バイクから啓は中々降りてこようとしない。
この期に及んで、まだ反抗するか。
そう思った担任は啓のメットを取り外すと乱暴に抱きかかえる。
 「うわっ、ちょ、ちょ…」
 「お前が中々降りてこないからだ」
 「わ、分かったから」
 「何が分かったって?」
 「歩くから下ろして」
はいはいと言って肩に担ぎ上げてた恋人を下ろしてやる。

その場に、へたっと啓は座り込んでしまった。
 「おーい、誰が歩くって言ったんだあ?」
 「ちょっと待ってよ…。思いっきり飛ばしたのは誰なんだ」
 「なんだ。腰が抜けてたのか」
担任は笑い飛ばしてくれるが、笑いごとではない。
 「あ、そう言えば」
 「今度は何だ。やっぱり横抱きが良いってか?」
 「違うっ。俺、コンビニの制服なんだけど…、良いの、かな?」
その言葉に、担任は頭を抱え込んでしまった。
 「あー…、迂闊だった。仕方ない、急いで来たからなあ」
エプロンだけでも外せと言われた啓は、そのまま担任に引きずられ校長室へと向かった。

校長室の前に着くと、啓は大きく息を吸った。
 「お前も緊張するか」
 「ったり前だろ」


コンコンッ…。


担任はノックすると、応えがあった。
 「誰だ?」
 「2-Cの田村です。村上啓を連れて来ました」
 「どうぞ」
 「失礼いたします」

担任は啓の腕を取り、校長室の中に引きずり入れた。
 「2年C組、村上啓君」
 「は、はいっ」
 「2週間の自宅謹慎が解け、その後1週間の無断欠席は、どういう事かね?」
 「あ、あの…、学校には来ました」
 「でも、誰も君の姿は見ていないよ」
 「職員室へ…、田村先生の机の上に置いて、帰りました…」
 「何を?」

言葉に詰まってしまった。
それもそうだろう。その物は、先程、担任が目の前で破いてくれたのだから。
何も言わなくなった啓を校長は訝し気に見る。
 「村上君?」
 「あ、あの…、ご、ごめんなさい」

溜息を吐いた校長は、今度は担任に向かって口を開いた。
 「田村先生は、何か知ってるのかな?」
 「もしかして、退学願の事でしょう」
 「え、退学…」
驚きのあまり言葉が続かなかった校長に、田村は言葉を続けた。
 「だけど、私は破りました。あんな事で学校を退学するだなんて許さない。サッカーは辞めても良いが、高校は卒業しろと本人に言い聞かせました」

驚いてた校長は、田村の言葉を聞くと大きく頷いた。
 「村上君、折角入学したのだから卒業まで残り1年間、高校生活して欲しい。それは、私からも強くお願いしたい」
 「はい…」
 「校長、それにつきまして、お願いがあります」
 「何だね?」
 「実は…」


田村は卒業を待たずに、今月から一緒に生活する事を話した。
 「え、それは…」
 「18歳になった4月、入籍します。校長先生には、披露宴で仲人をお願いしたいです。
どうか、よろしくお願いいたします」
そう、これは嘘ではない。
 「え、私に?」
 「はい、お願いいたします」

啓も、婚約者に連なって「お願いいたします」と頭を下げた。

校長の嬉しそうな声が聞こえてきた。
 「これはこれは大変光栄な…。私で良ければ、家内共々喜んでさせて頂きます」
 「ありがとうございます」


その二人に、校長はとどめを指す。
 「学校ではいちゃつかない様に願うよ」
 「はい、もちろんです」と、啓が即答してしまった。

担任なんて、これだった。
 「公私の区別はきちんとつけます。今回の様な馬鹿げた事は、二度とさせません」


校長は、うんうんと頷いてる。
 「よろしく頼むよ」








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そして、校長先生との話し合い。
そう、この校長先生も登場してましたね。
 『弟と兄』だけでなく、俊平&治シリーズの『雅治の春休み』にも。

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