BL風味の小説

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3周年記念特別SS 『君と交えた、このレアな日に感謝』 (6)

※友明&博人※


朝から浮き浮きしながら友明は浴衣を縫っている。
それを見た博人は言っていた。
 「脱がしやすいのを縫ってるんだな」
 「何言ってるの。花火や祭りには浴衣でしょ」
 「言っておくが、私は着ないから必要無いからな」
 「遅い」
 「何が?」
 「もう既に縫った」
 「え?」
 「今縫ってるのは自分のだよ」


こいつの手の早さ…、いや仕事の早さには負ける。
早いのは良いが、どこかが欠けてるとか抜け感があると愛嬌があって可愛いが、こいつは完璧だから見下すことが出来ない。
学生時代は噛み付いてきたのに、最近はそれが無くなったよな。

なんて事を思ってると、友明の声が聞こえてきた。
 「出来たっ」
 「もしかして、祭りから行く気だったのか」
 「そうだよ。着せてあげるからね」


鴨居には2着の浴衣が掛けられ、帯と草履が添えられている。
1着は濃いブルーに黒のストライプが細目に掛かっている浴衣に、落ち着いた赤紫と黒の2色が合わさった帯と鼻緒は黒の草履。
もう1着は紺一色の浴衣に、黒一色の帯に鼻緒は黒の草履だが、こちらは浴衣の丈が短い。
こう並べてあると、丈の違いは15、16㎝ほどか。
その丈の長さに優越感を抱いた博人だった。


でも、これだけは譲れない。
 「友、下は短パン穿けよ」
 「なんで短パンなの?」
 「祭りとなると色んな奴が居る。首を突っ込んで誰かを投げ飛ばす時にパンツが見えたらどうするんだ?」
 
その言葉に友明は考え込んだので、言ってやる。
 「私は短パンを穿くからな」
 「うーん…」
 「友明?」

暫らく考えていたのか、やっと言ってきた。
 「分かった。そうする」

なるほど、そういう場面を想定していなかったという事か。


祭りは大学であるので、先に寄りたい所があると言い、友明と15時過ぎにマンションを出た。
徒歩で行ける距離にあるという事で、10分も掛からなかった。
着いたのは、庭に綺麗な花が咲いてる一軒家。


ピンポーン、ピンポーン…。


 『はい、誰ですか?』
 「福山友明です。福山優人さんはいらっしゃいますか?」

暫らくすると玄関が開き一人の青年が出てきた。
その後ろには子供が3人付いてきた。
優人は目を見開き、笑い出した。
 「ふふっ。その恰好、もしかして祭りに行ってから流星群を見に行くの?」
 「そうだよ。なにしろ60年に一度、日本でしか見れないレアなものだからな」
 「その為にわざわざ」
 「笑うな。で、これ土産」
 「ありがと。中に入って」
そう言って玄関を開けようと後ろを向いた優人は、気が付いた。
 「あ、忘れるとこだった。あのね、インターホンに出たのは孫だよ」

友明は驚き、思わず聞き返していた。
 「孫?」
 「うん。次女が先に結婚してね、3人生まれたんだ。この3人がそうだよ」
そう言って、自分の後ろに立っている孫3人を見せる様に手を指し示した。

 「へー、お爺ちゃんになったのか」
 「うん。で、潤君は?」
 「あいつはフランスだよ」
 「結婚には程遠そうだね」
 「まあな」
 「孫は煩いけど可愛いよ」

その言葉に笑っていた。
 「ははっ。福山家は安泰だな」
 「お兄ちゃん、中に」
だが、友明は遮っていた。
 「悪い。祭りに行く前に、もう一軒寄る所があるんだ」

そう言って、手に持っている土産を持ち上げて見せた。

それは残念…、と苦笑しながら優人は行ってらっしゃいと手を振ってくれた。
挙句の果てには、こう付け加えてくれたものだ。
 「まあ、お兄ちゃんは昔から祭りとか好きだったから、今でも変わんないんだね」

その言葉に、友明はこう返したものだ。
 「楽しむ時は楽しむ。泣く時は思いっきり泣く。それが私のポリシーだからな」

はいはい…、と苦笑せざるを得なかったのは優人だけでなく、少し後ろで隠れて聞いてた博人も同様に苦笑していた。




優人は、もう大丈夫だな。
お母ちゃん、私の肩の荷が1つ減ったよ。
もう、義兄を止めても良い頃だな。
優人。
私はもう会わないから、元気で生きるんだよ。

母違いの、私の義弟。
お父ちゃんが、お母ちゃんに3人の世話をしろと言って手渡さなければ、会う事もなかった。
お前は一人っ子だが、それでも結婚して子供もいて孫も産まれた。
お母ちゃんの事や、私達の事や福岡で暮らした事等を忘れろとは言わないが、心の片隅に置いて貰えると嬉しいよ。
香織にも言っておくか。
無理に会いに行かなくても、連絡しなくても良いってな。



今度こそ、さようなら。
最後まで、私をお兄ちゃん呼びしてくれてありがとう。






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そして、祭りの日。
仕事の速さには感服もんだけど、でも何処かで優越感を感じ取る博人でした。

そして、友明は義弟に会いに…。

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