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社員旅行は南の島 (12)

※秘書Side※


後ろ手で縄を掛けられてしまった。
誰かがチェックをしてるみたいだ。
 「うん。どれも良く縛られている」
 「あの縄掛けのお蔭だな」
 「たしかに、そうかもな」


縄を掛けられた3人は、そのチェックをしてる奴を睨んでる。
 「貴様等…」
そのチェックしてる奴も睨み返してる。
 「他人様のシマに無断で入ってくんじゃねえよ」
 「けっ、こんな太平洋のド真ん中にシマなんてねえだろ」
 「それがあるんだよな」
 「ほー、そうかよ」
 「ここは1人の人間が買い取った島だ。お前等は、そのまま太平洋に放り投げてやる」
 「出来るもんならやってみな」
 「なら、やってやる。ところで、良いモノを持ってんだな」
 「やらねえよ」
 「お前等が居なければ、必然的に俺のモノだ」
 「どうするつもりだ?」
 「ここの沖にはサメがいるから、その餌にしてやる」

違う奴が言ってくる。
 「けっ、イルカの間違えじゃねえのか」

ぶわははっ…。

下品な笑い方をする3人の男に、その男、岡崎は睨んでやる。
そんな手は、この男には効かない。
 「お前等は、イルカ道から来たのか。なら、サメとご対面させてやるよ」

そんな時、声が聞こえてきた。
 「ねえ、高瀬さんはどうするの?」

そう、一番の肝心な点は高瀬の事だ。
3人にとって、高瀬の生死は関係あるので、その声の持ち主の笹本に意識を持っていく。
だが、目の前に踏ん反りがえってる岡崎は一瞥もくれず、3人を睨んで返してる。
 「怪我人は置いとけ。足手まといだ」
 「でも」
 「気になるなら、ヴィラに連れて戻れば良いだろ。俺は、こいつ等がサメに食われるのを見たいからな。ああ、そうだ。イルカ道を行けば、こいつ等の持ち物がある筈だ。その回収班と、ヴィラ班とサメ班に分かれるか」
 
その声を聞いた笹本は、「それなら、イル」と言うと、重なるように複数の声が遮ってくる。
 「それじゃ、イルカ班は3人、こっちに」
 「高瀬さんをヴィラに連れて行くのは社長秘書で良いよね?
笹本君、君は社長秘書なんだから、ヴィラ班だよ」

イルカ班は4人、ヴィラ班は3人、残り5人はサメ班に分かれた。


ヴィラに着いた社長秘書は留守番をしていた二人に声を掛け、高瀬の応急処置をする。
脇腹とはいえ、傷が浅かったので幸いした。
脚や腕は擦り傷だ。

イルカ班は、ボートが浮いてるのを見つけ覗いてみるが、何も入ってない。1人は、色々と弄って見回しているうちに気が付いた。そのボートは縮小されるものだった。
 「へー…、便利だな、これ」
 「おい、こっちにあったぞ」
 「何が?」
 「それの大型版で、中には銃や弾がたくさん」
 「なら、回収するか」


そしてサメ班は、この島の二番目に険しい所に着いた。
岡崎は声を掛けてやる。
 「あれ、何に見える?」

指を指し示された方に目をやる。
そこには1頭や2頭ではない、少なくとも5頭は泳いでるだろう。
サメだ。

岡崎は3人を見ると、3人共に顔が青褪めている。
先頭を歩かせていた男を蹴り落とす。
 「ぅ、うわっ…」

少し経つと、ドボンッと飛び込んだ音が聞こえ、海の色が赤く染まった。
 「うん、いい飛び込みだな。ほれ、次」

残り2人を一緒に蹴り落とした。
 「い…」
 「やめっ」


バシャッ…!

波しぶきが上がり、サメは海中に潜り込んだ。


 「ふんっ。見届け終わり。戻るぞ。で、あの腑抜け野郎を殴ってやる」
 「岡崎…」


いつまで経っても元気にならない、腑抜けになったままの高瀬を岡崎は気にしていたのだ。
どうして、歯向かってこないんだ…。
あんな事を言われて悔しくないのか。
皆の憧れの社長秘書だった高瀬が、自分の発した言葉で、ここまでへこんでどうするんだ。
俺を落胆させるな。


怒りのあまり、手直にあった木を叩いていた。
岡崎の手刀を食らった木は倒れてしまい、その上に実っていた果実が落ちてくる。
他の4人は一斉に頭を守ろうと手をやる。
その内の一人が驚いた声をだしていた。
 「すげえや、さすが岡崎。蜜柑をゲットだ」


その言葉に反応して振り返り見ると、蜜柑の木が1本、倒れていた。
(あー…、もしかして、今のでか…)
そう思うと、言っていた。
 「俺を怒らすと、蜜柑の木みたいになるんだ。覚えておけよ」


その言葉に頷く4人だった。





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うん、さすが岡崎君。
あの人に指南されてるだけの事はあるww



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