BL風味の小説

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社員旅行は南の島 (7)

その間に、海と山に分かれて食材を取りに行ってた人たちも戻って来た。
 「魚は一杯泳いでいたぞ。でも、取るのは明日だな」
 「ワカメを見つけたから、明日はワカメ汁だな」
 「本物のワカメなのかな…」
 「俺は漁師町育ちだから、任せなさい」
 「任せて良いのか?」
 「なにしろ毎年帰省して手伝ってるんだから」

キッチングループから声が掛かってくる。
 「大丈夫。ワカメを使ってのレシピもあるから」
 「それに、ワカメも養殖してるって」
 「さすが安藤専務だな」
 「抜かりない」


山グループは、何かを抱えている。
 「山は鬱蒼としていたから海岸沿いを歩いていたんだが、こんなのを見つけた。3人だと、これ位しか持てない…」
そう言って、抱えている物を見せてくれた。
 「さすが赤道」
 「カレーに入れようぜ。カカオって濃厚さが増すって言うからな」
その連中は持ち帰った物をテーブルに並べてくれる。
カカオの実が4つ、ヤシの実が2つにバナナが5房。
 「昼飯に良さそうだな」
 「それもそうか、非常食用にすれば良いな」



元々、秘書は秘書課の所属だ。
高瀬以外は、同じフロアの職場なので和やかさがある。
高瀬は、ポツン…と一人で皆を見ていた。
あの輪の中に入って行けない。
今迄は、ずっと社長と一緒だった。
社長秘書と言っても、雑用もあれば、一緒に国外へ行き仕事をしていた。
社長秘書は3人だが、他の2人と一緒に何かをすることは無く、こんなに賑やかだとは思いもしなかった。


食後、高瀬は空を仰ぎ見ていた。
あの頃は必死だった。
負けない、己の心に打ち勝つことが出来れば世界一になれるんだ!という強い思いで、ひたすら泳いでばかりだった。
それが、あんな事故でドクターストップを貰ってしまった。
泳げないと分かった時点で、ボスに政行の子守りを頼まれて、政行に水泳を教えていた。
泳ぎたいのに泳げない、このもどかしさ。
それでも、政行に水泳を教えている間は、あの可愛さに癒されていた。
政行、お前はどうやってドクターストップから脱げ出せたんだ。俺は、この歳になっても抜け出せないでいる。
お前が羨ましい。



どれぐらいそうしていたのだろうか、声が聞こえてきた。
 「高瀬さん?」
 「ほんとだ。高瀬さんも寝れないのですか?」
その声にはっとして身体を起こす。
 「そろそろ寝るよ。おやすみなさい」
 「おやすみなさい」


2人に背を向けヴィラに向かうと、後から声が聞こえてきた。
 「うわあ…、星空が綺麗だ。じっと見てたら寝れそうだなあ」
 「東京はネオンが眩しくて星空なんて見えないからなあ」
 「ここにいる間は自然を満喫できる機会だね」
 「そうだね。東京に戻ると仕事に追われる毎日だから、ゆっくりできるチャンスだね」


 「自然を満喫できる機会だね」という言葉に、高瀬は救われた。
そうだな、たまには自然と触れ合う事も大切だな。







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なにやら、一人でアンニュイな雰囲気の高瀬。。。

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