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あの夜の約束 (18)

3年後。
今度は日本支社に勤務する優は、5年後にはカナダに在る本社に戻る事になる。
健志は、それが気に入らない。
区内の病院に勤務しながら、3年間働いていた病院や卒業した大学へ逆オファーしていた。
その熱意を買われたのか、大学の方から5年間というオファーを貰えた健志は、5年後は優と共にケベックシティで暮らすことにした。

ケベックシティは、どちらかと言うと実家のある田舎に似ている。
一軒家を買い、2人で暮らす。
日本だと男二人で暮らすとなると何か言われるが、カナダでは何も言われない。
それが普通だからだ。


夜は、星がくっきりと見える。
それは、まだ幼稚園児だった頃、優を探し出し二人で誓った事を思い出させる。
 「優」
 「何?」
 「お前は、あの頃と全く変わらないよな。進歩がない…」
 「いつの頃?」
 「幼稚園の年少の時」
 「ええっ、何言ってんだよ。俺、もう28歳だよ」
 「あの時、お前は女子から何か言われて、それを取りに山に登って行った。
誰にも、何も言わずに」
 「ああ…、そんな事あったねえー」

その言葉に溜息を吐き、健志は言い切る。
 「俺にだけは言えって、あれほど言ったのに。結局は自分で勝手にカナダ行きを決めて行動するんだからな。俺は、お前の何なの…」
 「だって、守られてばっかりだと強くなれないよ」
 
健志は優の腕を引っ張り抱き寄せる。
 「俺は、お前の隣に居たいんだよ。だから、俺にだけは言ってくれ。でないと寿命が縮む」
 「過保護なんだから。お母ちゃんみたいだ」
思わず笑ってしまった優の頭を小突いてやる。
 「そういえば、あの時もそうだったよね」
 「何度も言った覚えがあるぞ」
 「登ってはいけない山を登り、健志さんに朝だよって起こされて…」
デコピンされる。
 「ったいなー」
 「朝ではなく、夜だった」
 「その後に、星を見ながら約束した言葉を忘れてないよ」
 「え・・・」
 「あ、そうだね。星を見たんだから夜だ…」
そう呟やき、優は言ってくる。
 「絶対に一人で知らない人に付いて行かない事。行く時は俺にだけは教えて、って言ってくれたよね?ん…、どしたの、健志さん」

なぜか睨みながら頭をぐりぐりと突いてくる。
 「一人で知らない場所には行きません。と言った筈だ。
いいか、これからはずっと俺が側に居るからな。OK?」
 「え、あれ、そうだっけ…」
 「まあ、お前に関しては、知らない人に付いて行かないというのも大事だけどな」
 「ま、似たり寄ったりな意味という事だね」

溜息もんだが、こればかりは仕方ない。
天然な所は昔と変わってないからだ。
そんな優に言ってやる。
 「ああ、そうだ。5年後に帰国したら、今度は10年のオファーを貰えるんだ」
 「へえ、凄いね。それって医者として有望されてるって事だよね?」
 「ああ、そうだ」
 「俺は5年後に帰国したらパスポートの更新だ」

話が寄り道にそれそうなので戻してやる。
 「で、その10年間の間に、フリーとしてやっていきたいと思ってるんだ」
 「フリーって、大丈夫なの?」
 「完全にフリーとしては無理だが、籍だけは置いといて、色々な病院でやっていき力をつける方が先だけどな。その勉強を、この5年間でやっていく」
 「お医者さんって大変だね」
 「日本だと終身雇用だけど、日本以外だと、これが普通なんだよ」
 「俺もカナダで働きながら、そう思ったよ」
 「まあ、家には隆一が居るからな。
俺は、実家の病院は継ぐ気は無いからな」
 「俺、カナダへ来た事は後悔してないよ」
 「ああ、俺だって後悔してない。ただ言いたい事は一つだけ」

指差して言ってやる。
 「優。お前は俺の恋人だ。俺に黙って何かをするのは止めてくれ」
 「たけ」
 「約束して。俺に黙って勝手にしないと」
 「健志さん…」


優は健志に抱きしめられ、その胸に顔を埋める。
 「うん、約束する。今迄ごめんね」
 「全くだ」
 「どうしたら許してくれる?」
 「お前からキスしてこい」
 「ごめんね。これから、よろしくね」

そう言うと、優は少し背伸びし、健志さんの唇に触れる。
 





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なんやかんやとあった2人。
やっと落ち着いたみたい・・・?
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