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桜咲き、春一番で桜散る (14) ~最終話~

※岡崎視点※


そして優介に電話したら、「もう食事は作り終えました。どこに居るのですか?」と、帰ってこいと言われてしまった。ので、電話を岡崎君に渡した。
 「もしもし?」
 『誰?』
 「優介?久しぶりー」
 『お宅、誰ですか?』
 「俺だよ、徹」
 『徹?』
 「うん」

 『…え、ええっ!嘘。空手バカの、あの徹?懐かしいー』
 「覚えてくれてたんだ、嬉しいな。懐かしいという言葉が出てくるよねえ」
 『なんだって、そこに徹が居るの?』
 「俺の勤務先の前なんだけど、優介を呼ぶので食事を一緒にと言われてね」
 『んー…』
 「だめ、かなあ…」
 『もう、作っちゃった…』
 「今日の夕食は何?」
 『豚汁と煮しめと、メインはピッツア』
 「あははっ…、優介らしいや。和風とイタリア風かあ。で、ピッツアって、生地作りなの?」
 『うん、でも、まだ焼いてないよ』

 「分かった、帰る」
 『え、いつのまに…。うん、待ってます。徹も一緒にね』
 「ああ、徹君も連れて帰るよ」

いつの間にか手渡されてたガラケーが手元から消えていたのだが…。
でも、徹君も連れて帰るって言ってたよね。
やったぁー。
優介と久々に会えるんだ、嬉しいなー。



連れて来られた所は敷地が広く、住居は1階と2階になっており、公道側にはシュークリーム店になっていて、3階は道場になっている。
こんな所に住んでるんだ。
きょろきょろしていたら、「こっちだ」と言われ、さっさと入られてしまった。
うーん…、この人って、まるで専務みたいな人かも。
それでも、あの専務よりは融通が利きそうで、偉ぶってないから許せるな。
 「あ、どうしよう。手土産が無い…」
 「良い」
 「でも、エチケットでしょ」
 「構わない。私が勝手に声を掛けて連れて来たのだから」
 「ありがとうございます」
(この人は、専務とは違う。あの専務なら、”とっとと買ってこい”と言い出すのに。
ん、待てよ。という事は、反対に俺の方から声を掛けてたら、買ってこいって言うのか。
なんか、そういう感じの人だな。まあ、良いや。悪い人ではないから)
と、楽観視していた。

 「こんばんは、お邪魔します」

目の前には、久しぶりに見る顔があった。
嬉しい。
他の人が居なかったら、目の前に居る優介に抱き付いていただろう。
 「いらっしゃい。徹、久しぶりだね」
 「優介、久しぶりー」
 「どうぞ。今、焼いてる途中なんだ。もうちょっと待ってね」
 「はーい。あのさ、手土産持って来てないんだ…」
 「いいよ、構わない。どうせ悟さんの方から声を掛けたのでしょ?あの人が誰かを連れて来るなんて無い事だから」
 「人付き合いって無いの?」
 「ここ、シュークリーム店の上はコンピューター会社なんだけど、3階は道場なんだ。会社とか道場での付き合いはあるよ」
 「へえ、コンピューター会社と道場かあ」

着替えてきたのだろう、先程とは違いラフな装いをして悟さんがリビングに居た。
 「さっきは悪かったな」
 「こちらこそ、申し訳ありませんでした」
(うん、この人は専務とは違う。断りの言葉を口にする人だ。優介は幸せ者だな)


優介手作りの夕食を食べ終わると、道場へ連れて行かれた。
なぜ道場?
その悟さんは言ってきた。
 「手刀と空手を教えてるんだ。もしよかったら、お手合わせどうかな」
 「空手されてるんですね。強い人とやれるのは嬉しいです」

しぶとく絡みついてやる。
そう思ってたのたが、そんなにも時間を置かずに受け身になってしまって、攻める隙が見えない。
くそっ、なんで強いんだ。

しかも、始めて数分後、終わった。
こんなにも早く勝負が付くなんて…、負けてしまった。
そりゃ、三段と師匠級って、違うよ。
違うけど、なんか悔しい。
そう思っていたら、悟さんは他の人とやり始めた。
それを見てると、少林寺だ。
強い。
これは、強い。
少林寺の対戦が終わると、次は他の違う人と合気道をやり始めだした。
しかも、手刀も。
カッコイイ。
これは、もうあれだよ。
 「しし…」
 「ん、ししって何だ?」
 「師匠っ、俺もここに来て磨き掛けたいですっ」
 「え…」
 「良いでしょ?ここに入会します」
 「え、でも」
 「で、師匠。バイオリンとこれは別物であり、アドバイス等は遠慮なくしますからね」

ぷっ、あはははっ。

師匠は、笑い出した。
 「いや、そういうつもりでここに来させたわけではないのだが」
 「いいえ、俺が来たくて言ったのです。師匠、お願いします」

はいはい。

師匠は両手を軽く上にあげている。
これは、降参したという事だな。

やったぜ。
優介との接点、再び掴まえた。
でもって、俺の師匠も出来た。
夕食の時、教えてもらった師匠の出身大学。
俺と同じ大学なので驚いたが、学部を聞いて、これまた驚いたものだ。
でも、納得いった。
でないと、理屈に屁理屈を並べ立てて言わないもんなあ。
さすが、医学部と情報学部の卒業生だ。

今年の春は幸先が良いな。
良い事ありそうだ。





だが、悟としては、相手は一回り以上も年の離れた若者。
扱い易いタイプである。
ちょっとした言葉を口にして動作を見せると、相手は図に乗って入会すると言ってきたほどだ。
しかも、バイオリンとは別物だとも言ってきては色々とアドバイス等をするとも言ってきた。
ちゃっかりしてるようでいて、優介をエサにすると単純な人間になる。
これを、一挙両得と言う。

そんな悟の気持ちを知らない岡崎は、幸せ者だ。



















- 完 -






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読みに来て頂き、ありがとうございました<(_ _)>
後書きの後は、新作開始です。
お楽しみに。.:♪*:・'(*⌒―⌒*)))

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