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桜咲き、春一番で桜散る (12)

葬式と宴が終わった翌日。
悟は、昌平がボスをしている族『ショウ』の溜まり場へ行っていた。

 「おー、これはこれは、珍しい人が来たなあ」
 「お兄ちゃんは居ないぜ」

そう言われても、奥まで進んで行く。
相手はリーダーの昌平ではなく、サブリーダーの新一だ。
 「誰かと思えば、リーダーは居ないぞ」
 「分かってます。お願いがあって来ました」
 「誰に?」
 「サブリーダーである、新一さん。貴方にです」
 「へえ、俺にね…」
 「はい。私にバイオリンを教えて下さい」
 「は?」
 「ある人に、独学で無く、一から始めろと言われました。
悔しくて、悔しくて…。
お願いです。
新一さん、私にバイオリンを教えて下さい」


暫らくの間、誰もが無言だった。
仕方なく、新一は口を開いた。
 「教えろって言われても、弾けるんだから良いんじゃ」
 「でもっ」
 「どうかしたのか?親父さんが死んで、パニクッてんだろ」
 「いえ、もう冷静になってます」
 
言いたくないのだが、これは言わないと分かって貰えないかも…。
そう腹を括ると、悟は昨日の宴の事を話し出した。


聞き終わった皆は笑っている。
ぷっ。
くくくっ…。
わはははっ…。
あっはははははー…。

爆笑されてしまった。

 「そんなに笑わなくても良いだろっ」
新一なんて、目から涙が出てる。

ヒーヒーと笑いながら、笑いを抑えてるのが分かる。
やっとのことで笑いを抑えたのか、新一は言ってきた。
 「悟って可愛いねえ」
 「んな事を言うな」
 「でも、相手が悪い」
 「なんで?」
 「だって、ヒロの事だよ」
 「だから、何?」
 
溜息吐かれた。
 「あのさ、ヒロって、元々は、この『ショウ』のサブリーダーしてたんだよ。
しかも、スピードバカで。
そのヒロに立ち向かうバカは居ないと思ってたんだけど…。
ん、悟?」
 「ああ、だからバイク乗れるって言ってたのか」
 「おーい、聞いてるか?」
 「聞いてますよ。こうなったら、何が何でも一つだけで良いから、あいつより上に行きたいんだ」
 「しゃあねぇなー…、それじゃ、腕利きの奴を紹介してやる」
 「え、その人って信頼できる人なの?」
 「まあ、俺たちより若いけどな」


俺たちより若い。
その言葉にカチンときた。
 「悟、お前のプライドが許すかどうかだな」
 「その人は、どちらに居ますか?」
 「この時間は仕事じゃねえかな…」
 「仕事って、どんな仕事ですか?」
 「んー…、どこぞの会社の秘書やってるってよ」
 「へえ、秘書ね。名前を教えてもらえませんか?」
 「良いけど。言っとくが、お前のお上品な怖さとは違って、そいつは乱暴で怖いからな。
会うのなら大人しく会えよ」
 「はい、心しておきます」


新一さんは、書いてくれた。
その腕利きのバイオリン弾きであり、乱暴で怖いって言う人の名を。

 『岡崎徹』

どっかで聞いた事のある名前だな。
どこだっけ…。
まあ、岡崎なんて苗字は、ありきたりだからな。

 


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そして、サトルは新しい一歩を踏み出す。
サトルから、悟へと。

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