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桜咲き、春一番で桜散る (11)

そして、こちらは姉と対面していた。
 「いい加減に身を固める事をするのね」
 「好きな相手が居るんだ」
 「あんたは、卒業したら継ぐって言ってたじゃないっ」
 「卒業したら、ではない!アメリカで勉強して力を付けてからだと言ったんだ」
 「それじゃ、まだ付いてないって事なの?」
 「そうだよ。それに、あいつは生きてる。死んだと聞かされた時は何もしたくなかったが、今はする気でいるんだ。それに、姉貴の子供を継がせば良いだろ」
 「あんたは何歳になったのよっ」
 「年なんて関係ない。子供に継がせたいから、一生懸命に医学部に行かせようとしてるんだろ」
 「貴匡…」
 「姉貴が嫌いとか、日本が嫌いとかという事じゃないんだ。それだけは知っておいて」
 「たか…」
 「そっか、そう言えば姉貴にはっきりと言ってなかったよな」
 「何を?」
 「あのね、私は、ボスが好きなんだ。だから、オーストラリアのパースで生きていく。
この命を盾にしてでも守りたいんだ」
 「ボスって、ああ、あの可愛い顔をしていた友君だっけ?」
 「それ、ボスの前で言ってみろ。怒られるよ」
 「あははっ…、ったくもう、あんた達は学生時代とまるっきり同じだね。進歩がない」
 「それ、ミスターにも言われた」

姉は溜息を吐いた。
 「あー、もうっ。分かったよ、分かりました。その代り、生きてなさいよっ」

デコピンされたが、こんなの可愛いものだ。
口を尖らせてデコピンしてくる姉の額を、同じ様に人差し指で姉の額に触れてやる。
 「ありがとう。元気でな」




そして、こちらは両親と対峙していた。
 「友君と同じ様にとは言わないが、せめて身を固めないとな」
 「でも」
 「いいか。お前は、この大久保国会議員の子供だ。大久保の家系は、国会議員なんだよ」
 「そうよ、潤也ちゃん。それに、友君には子供が居るってね。早く身を固めて安心させて頂戴」
 「お父さん、お母さん」
口を挟もうとしても、挟めない様にもっていくのは相変わらずだな。
なので、聞く事しかできないでいた潤也だ。

 「医学部に行かせても、結局はモデル止まり。溜息もんだよ」
 「そのモデルも辞めて、今は何をしてるって言ってた?」
 「私は、この仕事が好きなんだ」
 「服を作るのが、そこまで好きなのか?」
 「服を作り、それを着てくれる人が居る。その人が居るからこそ、やっていけてるんだ」
 「なら、どこでも出来る筈だ」
 「そうよ、日本でも出来るじゃない。ああ、でも日本だと私たちの名前に傷がつくわね」

その言葉にムカついた潤也は言っていた。
 「私は好きな人と一緒に暮らしてる。離れるつもりは無い」
 「好きな人って、誰?」
 「もしかして、ボスか?」
即答していた。
 「ボスも好きだけど、一緒に暮らしてる人は違う人だ」
 「なら、どうし」
母親の言葉を遮っていた。
 「私はボスが良いんだ。ボスが居たからこそ、仕事をしながらでも大学に通ってたんだ。
自分の夢を持ちながら、悩みながら進んでいけばいい。
そして、私がボスだけでなく、他の人たちの疲れを癒してあげたい。
そう思ってるんだ。
私は、自分の仕事に誇りを持っている。とやかく言われたくない」
 「潤」
 「それに、後を継がせたければ、他にも男は居るだろう。あいつ等のどちらかにさせれば良い」
すると、両親は渋った顔をしてきた。
 「いや…」
 「あの二人は、ねえ…」
 「私は出来損ないの医者だけど、日本には、そういった医者はたくさん居る。
時々、医者でバイトしてるが、本業はデザイナーだ。
それに、私のパートナーは世界屈指のパタンナーなんだ。
ただ、パースにはボスが居る。
私は、彼がボスだからこそ側に居たんだ。それは、学生時代の頃から変わらない」


暫らくの間、沈黙が下りる。
 「まあ、彼の側にはドイツの人が居るからな」
 「で、そのパタンナーって人と暮らしてるって事?」
 「そうだよ」
 「子供は?」
 「男同士で生まれるわけないだろ」
 「男か…」
 「なに、潤也ちゃんてホモなの?」と言う母親にムカついた。

つい、言っていた。
 「ならば縁を切っても良いんだよ」
 「そんな事はしないわよ」
 「ホモが気持ち悪いんだろ」
母は言いたそうにしてるが、父の方が早かった。
 「私の兄がホモだからな…」
 「え、あの伯父さんが?」

だが、母は違っていた。
 「潤也ちゃんの子供なら、絶対、頭が良くてルックスも良くてイケメン国会議員、間違いなしね」
溜息吐いて、言ってやる。
 「色ボケは、そこまでにして欲しいな。とにかく、私はパースに帰る。恋人を待たせてるんでね」
そう言うと、さっさと実家の玄関を目指してリビングから出て行った。
追いかけもしない両親だが、寂しさというものは感じない。玄関を開けると二人の弟が、丁度開けようとしていた。
 「え…」
 「潤兄?」
 「よ。今、帰りか?」
 「潤兄…」
 「私は葬式で帰国しただけだ。すぐに、あっちへ戻るよ」
 「潤兄、別に邪魔だとは思ってないよ」
 「元気でな」

弟二人にも両親に向けて言った言葉を、言っていた。
すると、末っ子の三男が、きっぱりと言って来た。
 「良いよ、潤兄。俺が二人の後を継ぐから」
 「良いのか?」
 「うん。潤兄は、自分の夢を諦めないで」
 「そうだよ、潤兄の服は好きだよ。こうやって贈ってくれるし」
嬉しそうな表情で、二人の弟は言ってくれる。
 「そっか、ごめんな。応援してるからな」
そう言って、弟の頭を撫でてやると、二人とも嬉しそうな表情をしてくる。その表情は昔と変わらない。あの頃の自分たちの生活を思い出してしまいそうだ。
すると、すぐ下の次男が言ってきた。
 「だって、潤兄は昔っから俺たちの世話をしてくれたもん。今度は潤兄は迷わずに夢を追いかけてね。応援してるから」
その言葉に微笑んで弟に言っていた。
 「あのいけずな二人の面倒、よろしくな」
 「はーい」
 「まっかせなさーい」

兄弟には恵まれてるな…、と思った潤也だった。






だが、しかし…。
一樹は、この秋には契約が切れるのもあり、切れたら日本に帰国する事に決めた。
親に言い含められたのだ。
ワンは後を継ぐつもりもあり、宴が終わった時点で父のジェットで香港に帰国したのだ。

これで、皆が皆、バラバラに散ってしまった。
友明の側には、学生時代に宣告してきた5人の内、4人が残る事となったのだ。





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以上、4名が友明の側に残ったのでした。
4人が、4人共カミングアウトした。
という事ですね。
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