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桜咲き、春一番で桜散る (10)

宴が終わり、自分の家に戻った正孝は、父親と対面していた。
父に言われてしまった。
 「正孝、いつまでも遊んでられんぞ」
 「どういう意味ですか?」
 「お遊びは終わりにしろ」
 「どういう」
 「分からないとは言わせない」
その言葉で、何を言いたいのか分かった正孝は、父に言っていた。
 「ならば、相手になって下さい」
 「なんの?」
 「私は七光りで無く、一人の人間として見て欲しかった。それは学生時代から、ずっと変わらない思いだ。ボスは、そんな私を見てくれてる。だから、側に居たいんです」
 「彼の側には、ドイツの人が居る」
 「分かってます」
 「彼は強いぞ」
 「分かってます。日々、彼を相手に組んでるのですから」
 「お前が生きてるのは、彼は本領発揮してないからだ。遊ばれてるんだ」
 「分かってます、分かってます。でも、私は、ボスの側に居たい…」
 「学生時代とは違う」
 「分かってます。だから言ってるんです。相手になって下さい、と」
 「なら、付いて来い」

そう言われ、付いて行った先は警察関係者の使う、地下訓練所。
懐かしさを感じる所だ。ここで、どれだけ訓練したことか。
父の声が聞こえて来た。
 「どれだけ鈍ったか見てやる」
その言葉で確信した。
ああ、どんなにしても、この父は私を日本から出させない気なんだなと。
ならば、見て貰おうじゃないか。
そう思ったら、ドアが開き声がした。
 「へえー、誰かと思えば、七光り君じゃないか」
 「あれ、童顔なのは変わらないねえ」
 「インターポールまで上ったのに、急に辞めたんだって」
 「俺たちが誰なのか分からないって感じか」
 「名乗らないと分からないよな」
 「それとも何?やっぱり医者してた方が楽か」
その言葉で思い出した。
ああ、同期で刑事になった奴等だと。

 「総監、本当に宜しいのでしょうか?」
 「息子さんを滅茶滅茶にされても構わないのですか?」
 「医者としても生きていけないかもしれないですよ」
それ以上、こいつ等に好き勝手に言わせたくなかった。
なので、きっぱり言ってやった。
 「お父さん、いや、警視総監。私は、どんなにしても日本に帰ってこようとは思ってません。
あいつの側に居たい。ただ、それだけだ」
 「あれ、なんか話が違うぞ」

正孝は、ニヤリと笑い言い切ってやった。
 「お前等に見せてやるよ。私は七光りで無く、自分の力でインターポールに行った。
その、本当の力をな」


その場で、正孝は同期で刑事になった奴等を一瞬で叩きのめし、父親の後ろを取った。
 「私はパースに行く。二度と、日本には戻ってこない」





同じ頃、こちらも父親と対峙していた。
 「3枚程、預かってるんだ」
 「その気はありません」
 「いい加減にしろ、くだらん遊びは終わりにするんだ」
 「くだらなくは無い。そんなにも後を継がせたいのなら、日本人女性と結婚して男児を産んでくるまで待ってれば良いだけです」
 「お前が良いんだ」
 「私はイタリア王子だ。いつまで経っても、イタリアは私を離そうとしない。それに、私は日本に縛られたくない」
 「知ってるぞ」
 「何をですか?」
 「ホームシックになってるとな」
 「誰に聞いたのか分かりませんが、それは昔の事です」
 「豊っ」
 「貴方の子供は居ない。そう思ってれば済むだけです」
 「実際に居る」
 「でも、まだ初婚もされてないでしょう?調べれば分かる事です。貴方は、まだ独身だ。
私の母とは、正式に結婚してない。私が、そんな事を知らないとでも思われてるのですか?」
 「豊…」
 「私は、あいつの側に居たい」
 「あいつって、友君の事か」
 「そうです」
 「彼には、ドイツの人が居る」
 「分かってます」
 「お前は用無しだ」
 「いいえ、彼にも出来ない事はあります。だから、それを補う人物が必要なんです」
 「それは、お前ではない」
 「いいえ、それが私です」
 「豊っ」
 「ご存知ですか?日本では、縁を切りたい時は、ある用紙を提出すれば切れるって事を」
 「なんの事だ?」
 「ましてや、私と貴方は内縁関係での父子だ。縁を切りたければ、簡単に切れる関係だ」

その言葉に、父は分かったみたいだ。
 「豊、お前はなんて事をっ。誰かの入れ知恵か」
 「今、パースで法律関係の勉強をしてます。医者はたくさん居るが、法律関係者は居ない」
 「そこまでして、彼に」
 「私は日本に戻る気は無い。どこの国に行っても顔パスで行ける様になったのだから」
だが、父は遮ってくれる。
 「ならば、この父を倒していくんだな」
 「倒して宜しいのですか?」
 「でないと、日本から出さん」
そうですか…。
次の瞬間、豊は父の心の蔵を正確に突いた。
 「貴方の血を分けた福山豊は、幼少期に行ったイタリアで死んだ。そう思ってくれれば良い」
ふっ…と、ほくそ笑んで、豊は、父の耳に届くように、はっきりと言った。
 「私は、あのイタリアに居た時は、人殺しをしていた。簡単に殺せるんだよ」

そして、最後のとどめに手刀で突いた。
父の耳元で囁いていた。
 「私の名前は、豊ではない。
グスターヴォ=ヴォルドゥー・ドゥ・ヴィンセンティーニュ、イタリア人だ」



豊は、執事を呼んだ。
 「はい、如何されました?」
 「父が死にそうだ。救急車を」
 「えっ!ご主じっ…。あ、若は、どちらへっ」
 「私は、父と口喧嘩してたんだ。その時に、様子がおかしくなってね」
早く呼ばないと、手遅れになるよ。


わざと応急処理をせずに執事を呼んだのに、救急車が急ぎ着いたせいか父は息を吹き返した。
ぼそっと呟いていた。
側に執事が居るのにも関わらずにだ。
 「あいつは人殺しなのか…」






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その後、風の便りで聞いた。
父は日本人女性と結婚して男児と女児が生まれた事を。
そして、その男児に帝王学を学ばせていると。






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父子対決ですね。
マサとユタカは、自分の実父に手を上げてまでも、ボスである友明の側に居る事を決めたのね。
友明、あなたの肩には重荷が圧し掛かるわね。。。

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