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新潟県私立田村学園高等学校 その弐

その少年には、お試しでなく、他の学年と同じカリキュラムで練習させていた。
そのせいで、上級生だけでなく、同学年の奴等にも恨まれていた。
だけど、その少年は思ってたよりも繊細な神経の持ち主だったんだ。

学校として、知名度のある少年を手放したくないという思いがあったんだ。
その思いに応える様に、その少年は頑張って成績を残していた。
だが、その少年は、居なくなっていた。
いつもと同じ様に練習していたのに、忽然と、居なくなっていたんだ。

まさか、よく思ってない奴等が手を上げて怪我させたのか。
どこかの倉庫等に押し込めたのか。
それとも屋上に連れて行って、ぶちのめした後、鍵を掛けたままにしたのか。
だけど、眼鏡先生は違っていた。
 「校内には居ない」

その言葉に、俺は叫んでいた。
 「探しもせずに、お前は…。なんで、そう言い切れるんだっ」

そう言ってやったんだ。
そしたら、眼鏡先生は言い切ってきた。
 「警察に知らせよう」って。
その時、タオルを持っているのが見えたんだ。
そのタオルには、少年の名前が書かれてあった。
 「Osamu」と。

こいつ、いつの間に校内を探したんだ。
そのタオルを握り締め、ぶるぶると震えていた。もしかして、こいつは自慢の長距離の足で探し回ったのか。そう確信できたんた。そして、理事やら色んな所に掛け合ったよ。

それでも、情報は無く、日にちだけ過ぎ去っていったんだ。
そうしていると夏休みに入り、全国大会へ行く数日前。
その少年は学校に来たんだ。
そして、担任として呼ばれた眼鏡先生と、一緒に練習場へ来た。


色々とブーイングやらバッシングやらを受けたが、そいつは怯まなかった。
今迄のこいつなら取らなかっただろう行動を取ってきたんだ。泣いて謝れば済むという考えは無かったのだろう。その少年は、一滴も涙は出さなかった。
その代り、拳を握り締めて言い切ってきた。
 「止めるのは、いつでも出来る。だから、全国に」と。

そう言った後、練習時間の関係上、そいつはアップしか出来なかったが、それでも跳んでいた。
それを見て、俺は思ったね。
こいつ、何処で何をしてたんだ。
甘かった箇所が無くなって、隙の無い、無駄が取り除かれたフォームになってる、ってね。

顧問だけでなく、その場に居た部員一同、皆が思ってただろう。


そして、全国大会は雨の中、行われた。
雨の中の走りと、跳び。
その少年は跳びで、1位を取った。
その時、東京の某高校から打診があった。
その少年が欲しい、と。

うちの学校としては、もう少し待って欲しいと返事をしたのだが、その東京の高校は直接、少年に声を掛けたらしいんだ。 「9月から」と、学年の途中からの編入を希望していた。
だけど、その少年は当時、顧問リーダーをしていた俺に相談してきた。
担任のメガネ先生ではなく、俺にだ。
 「どうすれば良いですか?」
その返事として、俺は自分の後輩になってくれるのが嬉しいと思いつつも、また、手放したくないという両方の思いがあった。
だけど、折角だからと言って、1年生をこっちで、2年生から行けば良いと言ったんだ。
そしたら、その様に自分から返事したのだろう。
あっちの高校から、俺宛てに連絡が入ってきた。
 「西田先生からも言って欲しいです」って。
だが、あいつが自分の考えた言葉で言ったのを、俺が覆す事は出来ない。
だから、尊重してやって欲しいとしか言えなかった。

そいつは、本当に色んな事をしてくれたよ。
話せば長くなるから割愛するけど。


そして、進学等の進路を決める時期に入った3学期。
誰もが期待を込めていた少年の進路表の提出。
担任が、校長室へ持って来たんだ。
 「これです」と差し出してきた。

当時の校長は、その進路表に一礼して、厳かに開いた。
誰もが待ってたんだ。
だが、いくら待っても、校長は何も言ってこなかった。
だから、その進路表を奪い取って、皆で見たんだ。
え、何だこれはっ。
皆が固まっていた。

そうしてると、担任は言ってきたんだ。
 「私も驚いて、本人に問い詰めて説得しようと試みました。
が、本人の意思は固く、陸上は続けるかどうかは分からない、と言ってました。
2年生の夏休み明けには、考えて提出すると言ってました。
この件は、2年生の担任に、引き継ごうと思っております。
それでは、私は部活がありますので、これで失礼させてもらいます。」

ってな。



皆、何も言い返せないでいた。
そいつの進路先は、俺しか知らなかったんだなと、その時思い知った。
当時、教頭をしていた現校長にも言ってなかったから。
だから、教頭には大目玉食らったね。
 「お前は知ってるだろっ!知ってる事を話せっ」、てな。





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今日からは夜の更新とさせてもらいます。
本編の『君と一緒に・・・』と、リンクしております。
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